見えないものを見据えられるか

「・・・・・・あぁもういい加減にしな!あんたが答えなきゃ話が進まないことを聞いてるのにグジグジグジグジ何も言わないで済ませようとなんてもう許されるような状態じゃないんだよ!」
「っ・・・!」
・・・だが少し待ってもやはり答えを返す様子もないその姿に痺れを切らしたノワールの怒鳴り声に、ガイは視線を背け何も言わずに体を震わせるしか出来なかった。
「・・・もういいです、決めました。ガイ、貴方はもう連れていきません」
「なっ・・・!」
「言い訳も抗議も受け付けませんよ。散々我々は貴方に話をするようにこちらは願ったというのに、肝心なことについては何も言わずどのようにして話が進んだかに関しては貴方のリアクションから我々が推察していくばかり・・・これは質問というよりは貴方の頑なな態度が理由ではありますが、尋問と言っても過言ではありません。ただそれでそんな尋問の形に関しては置いておいて、これから生死を共にするルークとアッシュに加えて我々までもを殺しかねない事情を抱えるような貴方を連れていくなどとても私は出来ません」
「っ・・・!」
そしてとうとうジェイドがもう見放したとばかりにキッパリと連れていくことを拒否することを口にしていったことに、ガイは苦々しげに唇を噛んだ。何も話せないと口をつぐみ続けた結果、完全に見切りをつけられたことを感じて。
「俺も同様だ。自分が誰にも恨まれない立場にいるなどと言うつもりはないが、だからと言ってそう易々と殺されてやるつもりはない」
「そして俺もおんなじ意見だけどよ・・・ぶっちゃけせめて少しでも自分の気持ちを言葉にしてくれりゃ、まだどうにか連れていこうかみたいな考えは俺にはあったんだけど・・・全く何も言わねーってんなら、そりゃ連れていきたくねーってなるのは分かるだろうによ・・・」
「ぅっ・・・!」
更にアッシュとルークも各々の言葉で拒否を返すが、ルークが頭をかきつつ言えば少しは考えたと歩み寄りを見せる言葉にくぐもった声を口中に漏らす。
「・・・男三人の意見は一致した。後はそこの嬢ちゃんだけど、あんたはどうなんだい?」
「・・・それは・・・」
「・・・まぁあんたも何らかの訳ありなのは分かるさ。でも私の質問に対して、それも二択でどっちかの答えすら口に出来ないんならあんたもここでリタイアしてもらった方がいいってなるんじゃないのかい?何せあんたも秘密満載と言った様子を隠しきれてないんだしね」
「っ!・・・じゃあ私も同じ、で・・・」
「・・・仕方無しに選んだってのもそうだし、三人と反対意見を言わないようにってだけでそう口にしたんだろうね・・・」
そんな三人の答えからノワールが次にティアはと聞くのだが、ハッキリしない様子に少し追い込んでようやく口にしたくないというよう答えを返す様子に肩をすくめる。明らかにここで離されたくないからそう言ったとわかる様子に。
「まぁ我々としてはそう言った答えでも別に構いません。ただ今タルタロスに乗っている方達には事後承諾をしていただきますが・・・ナタリアと直接話をなどとなったなら色々と面倒でしょうし、今の様子を見たなら彼女は間違いなく連れていかないと言うでしょうね。いえ、連れていかないだけならまだいい方でしょう・・・良くて貴方の事は立場だとかを考えて後に何も言わないで済ませるということも彼女の性格なら無いことはないとは思いますが、悪ければ私達を騙していたのかと怒り事情を話さなければ許さないと収まりを見せず・・・最悪の場合は貴方のような裏切り者は粛清しますと言ったように言い、有無を言わさず弓を放ってくる事でしょうね」
「っ!」
そんな様子に別にいいとしつつ残りの面々は事後承諾にするとジェイドが言う中、ナタリアに直接話をした場合のシミュレーションにガイは身を震わせた。ナタリアが感情のままに襲い掛かってくる光景をガイ自身感じる形で。









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