「・・・・・・何か取り繕うような言葉も出せない、か。と言うことは俺達に自身の真相について言いたくないのもあるんだろうが、俺達に手を出さん保証など出来んと考えてもいるんだろう。息を吐くように嘘をつける奴なら嘘で塗り固められた言葉を口にしたんだろうが、お前の性格的にもそうだが精神的な問題からしてそんなことは言えないからこそそのように口をつぐんでいるのだろうな」
「っ・・・！」
そうして少し待つがやはり何も言わない様子にアッシュが推測を呆れ気味に口にすると、苦々しさを隠しきれずにガイは歯を食い縛る。実際アッシュの言葉はガイからして何一つ間違っていない為に。
「・・・貴方がそうなっているのは謡将に会わなければと感じている以上に、ファブレと彼らへ刃を向けるべきかを決めきれずにいるからでしょう。ただそこで貴方が刃を下ろして思い止まれるならともかくとしても、刃をファブレ関係者に向けるようなことになられた時はこちらとしては非常に困ります。何故か分かりますか？」
「・・・」
「反応くらいはしてほしいのですが、まぁいいでしょう。理由としてはもし貴方やルーク達がファブレに仮に戻れて戦争にならなくなるくらいにまで事態が進んだとしたなら、その時に行動されて復讐が成功してしまえば折角預言通りに戦争にならないようにとした行動全てが台無しになるのが目に見えているからです・・・戦争という結末になる形でね」
「っ！」
ジェイドもまたそんな様子に確信めいたように復讐を遂げた場合についてを話していき、戦争になると告げるとガイは体をビクリと大きく体を震わせた。
「ファブレが滅ぼされてしまえば、キムラスカが誰のせいだと思うかと言えば真っ先にマルクト以外にありません。そしてアクゼリュスの前歴もありますから、尚のことキムラスカ側としては預言通りにしたいからとマルクトに宣戦布告を叩きつけてくるでしょう。それも即刻開戦をして、マルクトを滅ぼすまでは何があっても止まらないとなる形でです」
「・・・そうなればどっちが勝つにしてもホド以上の被害が出て、それだけの怨恨が生まるってわけかい。そしてそんな莫大な恨みを放っておくと生み出しかねない存在がここにいるって訳か・・・」
「ぅっ・・・！」
構わず続けるジェイドの戦争についてを話していきその中身にノワールがガイに冷たい視線と声を向けると、圧されるようにくぐもった声を上げるしかない。
「・・・あんた、考えてなかったのかい？自分の行動でそんなことになるかなんてことを・・・と言うかファブレに復讐した後、あんた何をするつもりだったのさ？マルクトに戻って復讐しましたから、何かしら地位をくださいとでも言おうとしてたのかい？ダアト、と言うか謡将の元に行ってキムラスカが慌てふためく姿だとか高みの見物をしようとでも思っていたのかい？」
「いや、ちょっと待てよ・・・そもそもの話として聞きたいんだけど、ファブレが滅ぼされたなら戦争になるかどうかって可能性自体考えてたのか？何か今までの話もそうだけど、反応を見てるとそんなことを考えてたかどうかも怪しい気がするんだけどよ・・・」
「・・・確かにねぇ・・・その辺りも含めてどうなのさ？」
「・・・そ、れは・・・その・・・」
ノワールはそこからどうするかを考えていたかをルークからの言葉も受けつつ、問い掛けを真剣に投げ掛ける。しかしガイは今までのように言葉をまともに口にすることも出来ず、そんな姿にルーク達は揃って頭を抱えるような様子を見せた。









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