見えないものを見据えられるか
「まぁ最初は逃げたいとかどういうことだって気持ちが無いことはなかったさ。けどそこの彼から話を聞いたことに加えて謡将率いる神託の盾が妙な動きをしているってことは私らの情報網にはよく入ってきてたから、まるっきりの嘘じゃないことだってのは確かだって思ったのよ。謡将が何か良からぬ事を企んでて、そこの彼がそれを確かめる為に動いてるってことに関してはね・・・まぁそれも経過について聞いてだったり、こうして話を聞いてみて彼に協力したのは間違いじゃないって思ったよ。こちらとしちゃ謡将の目的に巻き込まれておじゃんなんてゴメンなのさ・・・命からがらホドの時は生き残ったってのに、今度は世界共々逃げることも出来ずに終わるなんてね」
「っ!?」
・・・そんな問いにノワールは自嘲的な笑みを浮かばせながら答えを返していくのだが、その中で出てきたホドとの単語にガイは誰の目にも分かるほどに驚愕に表情を変えてしまった。
「・・・ホド出身の方、ですか。それも口ぶりからしてホドが滅びた時にはホドにいたというように聞こえましたが・・・」
「まぁね。と言っても生き残れたのはかなり偶然に近かったんだけれど、それでも生き残れたからにはそりゃ私もそうだし同じ立場の奴らも生きたいって思うよ。現に漆黒の翼に私らを支える人達の多数にホドの生き残りがいるんだからね・・・」
「そ、そんなに多くのホドの人達が生きている・・・と言うのですか・・・!?」
その反応に気付いてかどうかはともかくジェイドが真意の確認を取るとノワールは肯定しつつ話を進めていくのだが、ガイは動揺を全く隠しきれないままにホドの生き残りについてを聞かねばと焦ったように声にする。
「・・・あんた、何なのさ?やけにホドについて聞きたがってるけど、あんたは何かホドに関係してるってのかい?」
「っ・・・そ、それは・・・その・・・」
だがノワールがそんな様子にジトリと目線を細めて怪しいと言わんばかりに疑問を向けると、ガイは途端に慌てて視線をさ迷わせる。
「・・・隠したい、言いたくないってのが丸わかりな反応だね。正直、そんな様子の奴に話なんかしたくはない・・・と言いたいところだけど、私が言い出したことだからね。答えることは答えるけど・・・数はそこまで多くはないが、確かに生きているさ。と言ってもそんなことを大手を振って発表なんてしたら腫れ物に触るような扱いをされるだろうってのは分かってるから、私らとしては勘弁なんだよ」
「あ?んだよ、随分と具体的な感じに言うけどそんな感じの事でもあったってのか?」
「ホドから命からがら逃げ出してからしばらくの間ね。その時の私らは住んでた場所を失って拠り所もろくにないままにホド以外の場所で生きていかざるを得なかったけど、ホド出身って言うだけでそんな扱いさ・・・同情的に接してくれるくらいならまだいいよ。でも今ならそっちの彼が言ったことからオールドラントがどんな状態なのかを聞いてるから理由は分かるけど、島一つどころかホドは近隣の島も含めて大陸が丸々跡形もなく消滅して失われてしまったんだ・・・そんなとこから命からがら逃げ出せたってことに奇異な目を向けてくる奴もそうだし、下衆な思惑で私に接してくる奴も珍しくなかったんだよ。そんな立場なら金も住む所もないだろうから、自分の言うことを聞くんなら都合してやろうかなんて奴もね・・・」
「・・・マジ、なのか・・・」
「っ・・・!」
ノワールがそんな姿を見つつも話を続けていくのだが、いかにホドが滅びてから苦労して生きてきたのか・・・その一端を感じさせる話口にルークは重く受け止め、ガイは隠すようにしながらも口元を噛み締め拳を強く握り締めていた。何かをひたすらに我慢するかのよう・・・
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「っ!?」
・・・そんな問いにノワールは自嘲的な笑みを浮かばせながら答えを返していくのだが、その中で出てきたホドとの単語にガイは誰の目にも分かるほどに驚愕に表情を変えてしまった。
「・・・ホド出身の方、ですか。それも口ぶりからしてホドが滅びた時にはホドにいたというように聞こえましたが・・・」
「まぁね。と言っても生き残れたのはかなり偶然に近かったんだけれど、それでも生き残れたからにはそりゃ私もそうだし同じ立場の奴らも生きたいって思うよ。現に漆黒の翼に私らを支える人達の多数にホドの生き残りがいるんだからね・・・」
「そ、そんなに多くのホドの人達が生きている・・・と言うのですか・・・!?」
その反応に気付いてかどうかはともかくジェイドが真意の確認を取るとノワールは肯定しつつ話を進めていくのだが、ガイは動揺を全く隠しきれないままにホドの生き残りについてを聞かねばと焦ったように声にする。
「・・・あんた、何なのさ?やけにホドについて聞きたがってるけど、あんたは何かホドに関係してるってのかい?」
「っ・・・そ、それは・・・その・・・」
だがノワールがそんな様子にジトリと目線を細めて怪しいと言わんばかりに疑問を向けると、ガイは途端に慌てて視線をさ迷わせる。
「・・・隠したい、言いたくないってのが丸わかりな反応だね。正直、そんな様子の奴に話なんかしたくはない・・・と言いたいところだけど、私が言い出したことだからね。答えることは答えるけど・・・数はそこまで多くはないが、確かに生きているさ。と言ってもそんなことを大手を振って発表なんてしたら腫れ物に触るような扱いをされるだろうってのは分かってるから、私らとしては勘弁なんだよ」
「あ?んだよ、随分と具体的な感じに言うけどそんな感じの事でもあったってのか?」
「ホドから命からがら逃げ出してからしばらくの間ね。その時の私らは住んでた場所を失って拠り所もろくにないままにホド以外の場所で生きていかざるを得なかったけど、ホド出身って言うだけでそんな扱いさ・・・同情的に接してくれるくらいならまだいいよ。でも今ならそっちの彼が言ったことからオールドラントがどんな状態なのかを聞いてるから理由は分かるけど、島一つどころかホドは近隣の島も含めて大陸が丸々跡形もなく消滅して失われてしまったんだ・・・そんなとこから命からがら逃げ出せたってことに奇異な目を向けてくる奴もそうだし、下衆な思惑で私に接してくる奴も珍しくなかったんだよ。そんな立場なら金も住む所もないだろうから、自分の言うことを聞くんなら都合してやろうかなんて奴もね・・・」
「・・・マジ、なのか・・・」
「っ・・・!」
ノワールがそんな姿を見つつも話を続けていくのだが、いかにホドが滅びてから苦労して生きてきたのか・・・その一端を感じさせる話口にルークは重く受け止め、ガイは隠すようにしながらも口元を噛み締め拳を強く握り締めていた。何かをひたすらに我慢するかのよう・・・
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