見えないものを見据えられるか

(『・・・取り敢えずこの事はジェイドにアッシュの二人がいる時に言ってみたらどうだ?なんつーかアッシュとしちゃナタリアに対する引け目だとかがあるからあいつに対して我慢とかって気持ちになんだろうけど、早い内に動けりゃやれることの幅が広がると思うんだよ。ナタリアがキツいことになんのは想像はつくけど、今ならまだよ』)
(・・・そうだな。言ってみるか、二人がどう答えるかは分からないけどな・・・)
『ルーク』は取り敢えずはまず二人に話してみるようにと言うと、ルークも確かにと頷く。自分達の中でだけで収めるにはかなり重く、それでいてアッシュの今後に関わることだと。



















・・・そうして一先ず静かになった状態で道中を進み、ジェイド達と代わりがわりタルタロスを動かしていって一同はケセドニア近くまで辿り着いた。



「さて・・・こうしてケセドニア近くまで辿り着いた訳ですが、流石にタルタロスを港やその近くに停めれば人々にあらぬ噂をたてられる可能性も出てきますので少し離れた所にタルタロスは置いていきます。その上で怪しまれないように動きたいと思っていますが、あまり大人数でケセドニアに行っても街の人々に怪しまれかねませんので留守番も兼ねて、何人か残っていただきたいと思いますがよろしいですか?」
そうしてケセドニア近くに来たことで全員がブリッジに集められた中、ジェイドがどう行動するかを口にしていき周りの面々は投げ掛けられた言葉に反対せずに頷く。
「では誰がどう残るかに関してですが、イオン様とナタリアは確定で残ってください」
「なっ、何故我々が残らねばならぬのですか!?」
「単純な話として貴殿方は目立ちますし、目撃されるのが望ましくない方々だからです。一応変装用の道具をつければ誤魔化せることは誤魔化せますが、現在の我々の中で顔を見られて困るのは有名で顔が知られている二人です。変装していても顔を見られることは有り得ますし、何らかから我々がこうしていることがバレるのは避けたいですからね」
「だから僕達二人はタルタロスで待っていた方がいいと言うんですね・・・」
「そういうことになりますが、ナタリアは大丈夫ですか?」
「・・・そう言うことなら、仕方ありませんわ・・・」
ジェイドは続けて名指しで二人は残るべきと言いナタリアは何故と食って掛かるが、返ってきた返答にイオンが納得した上で自身も仕方無いというよう力なく漏らす。今自分達のことがバレる可能性を作るのは良くないと。






・・・それから二人が残る以外に誰が残るかという話をした結果、アニスとミュウが残るということになった。これはイオン様が残るなら私も残るとアニスが言い出し、ジェイドがもし何かあったならケセドニアまで来てほしいとミュウに残るようにと言ったためである。

そしてその際にティアが自分も残るべきか迷った様子を見せていたが、もしも神託の盾の追っ手などが来た場合はタルタロスから逃げ出すと共に下手にタルタロスを動かせる人員が揃っていた場合、タルタロスを逃げるのに使って妙な形で離れるのを避けたいから自分達に付いて来てほしいとジェイドは言った。このような時に下手に逃げる手段が多々あるとパニックになり、予定していなかった行動を取りやすいからタルタロスを動かせない程度の人員で済ませればタルタロスを捨てる選択しか出来なくなるからと。

そんな発言に逃げれるかはともかくとしてもタルタロスはいいのかという話になったが、下手に理由も不明で離れられるよりはマシだということでジェイドは納得させた。タルタロスはあくまで移動手段であって、それを失うだけで済むならまだいいと。

そうして残る面々が決まった所でルーク達はフード付きマントを羽織り、ケセドニアへと向かった。









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