見えないものを見据えられるか

・・・セントビナーにて、前進したのかも後退したのかも分からないような停滞した時間を過ごしたルーク達はタルタロスにてセントビナーを離れた。一路ダアトを目指すために。






「・・・さて、一先ず出立したわけですがダアトを一直線に目指すのではなく、ケセドニアにまずは向かいましょう。現在のキムラスカの動きを探る事を筆頭にし、色々と動きたいですからね」
「・・・その、ケセドニアで大丈夫そうだと判断出来たならバチカルに・・・」
「モースが向こうに付いている時点でそんな仮定は意味を為しませんよ。むしろそれでバチカルに行ってしまえば向こうもどうなっていることかと、我々を拘束して情報を搾り出しに来るのは目に見えています。そうなれば我々の誰かが情報を漏らすか分からないこともそうですが、今度は確実にアクゼリュスと共に消滅をしてもらわんとルークとアッシュのどちらかかどちらもかはともかく、片方は確実にアクゼリュスに送られ無理矢理に共に消滅をさせられることになるのは目に見えています。そしてマルクト所属の私は間違いなく殺され、残りのナタリアを含めた方々もどう考えても口封じはされることは確実でしょうね」
「っ・・・!」
・・・そうしてタルタロスのブリッジの中でジェイドが一先ずの目的地を述べてナタリアがならと期待の視線と共にバチカルと口にするが、すぐさまルークとアッシュの二人を筆頭に危険どころの状態ではない事になると言われて顔色を青くした。
「と言うわけですのでまだバチカルには向かいません。まぁいつになるかはまだともかく、時期が来れば行くことになると思いますのでそれまでは待っていてください・・・では話を少し変えますが、タルタロスを動かす際のメンバー決めをしましょう。人員的にはイオン様を含めれば四人と四人で分かれる事が出来ますから、交代しながら行けば問題はないでしょうからね。今の状況ではあまり無駄な時間を食いたくはありませんから、昼夜を徹して行きましょう」
そんなナタリアにバチカル行きはまだと軽く言った後にジェイドは組分けについてを切り出す。遅く行動をすることは今は望まれないと。



















・・・そうして話し合いの末にルークにイオンにアニスにナタリア、ジェイドにアッシュにガイにティアという組分けになった。これはイオンとアニスは二人で共にという話になった上でナタリアがアッシュと共にいたい・・・と切り出したが、それはジェイドが駄目だと言ったことからこういった組分けになった。



(『いや~、さっきのナタリアの何でですかって声はすげぇでかかったな~』)
(アッシュと一緒にいられないのが不本意っていう気持ちは分かるけど、あんまりアッシュの精神衛生上いい状態にならないのは目に見えてるからな。だからジェイドはアッシュの為にナタリアを外して俺の方にして、代わりにティアとガイを自分達の側にしたんだろ。道中でナタリアがうるさくなるのと問題の見える二人をどっちが担当するかって形でな)
それでしばらくジェイド達は休憩ということでルーク達側だけでタルタロスを動かす中、ナタリアにさりげに視線を向けつつ『ルーク』と内心で会話をする。先程のやり取りでナタリアが騒いだことと、ジェイドがその要求を蹴った理由についてを。









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