「・・・大佐の言われる事は分かります。私達が大丈夫だといったように思えないからこそ、そのように言われることは・・・」
「理解されたのは結構ですが、どうされますか？」
「・・・その事ですが、ダアトで前に言った証拠を見るまでは保留という形で同行させてもらえませんか・・・？」
「保留、ですか・・・」
「っ・・・！」
ガイも気持ちとしては同じようなものというように言うのだがダアトまで保留してほしいとの声に、ジェイドは少し微妙そうな様子を浮かべる中でティアは名案だとばかりに目を輝かせるよう見開かせていた。
「・・・今すぐに決意を固めることは確かに難しくはあります。ですがダアトまで行けば必ず結論を出しますので、それまでお願いします・・・！」
「・・・まぁ余計な手出しがなかったなら、現状ではダアトに向かうまでくらいなら結論が出るまで保留をかけても問題はないとは思いますが・・・皆さんはどう思われますか？」
続けてガイは引く気はないというように頭を下げ、ジェイドはタメ息を吐きたそうな様子で周囲にどうするかを問い掛ける。
「・・・このままいっても平行線と言うか、行きたいから迷ってでも付いていくなどとガイもそうだが今の反応からティアも言い出しかねんだろう。だから無理にでも付いてこられるよりはダアトまで保留でいいだろうが、条件はつけてもらいたい」
「条件ですか？」
「あぁ。まず一つは付いていかないと決めたならマルクトに行くと確約することにしろというものだ。特にティアに言えることとして付いていかないならもうここにいてもいいだろうとなると思うかもしれんが、ヴァン達は表向きにはダアトに反旗を翻してはいない現状では奴らがいつそこに現れるかなど分からんからな」
「成程・・・では次は？」
「単純な話として保留がきく期間はダアトまでにするようにしろということだ。それで以降もまだ考えがまとまらないからとこれまでと同様にズルズル引き延ばしをされても意味はないどころか、初めから考えるように時間を設けた意味もなくなるからな。だから俺としてはこの二つが守れるならこの場で押し問答になる状況を避ける意味でいいと思っている」
「ふむ・・・そういうことなら私もそれでいいと思いますが、何か反対の意見であったりはありますか？」
アッシュがそんな中で条件付きでと自身の考えを口にしていき、その二つの条件に納得したような様子を浮かべながらルーク達に視線を向けると色よくないと言ったような表情を見せている者はいない。
「・・・ではそれでいいでしょうが、この二つに関してはちゃんと守っていただきます。そして私からも言わせていただきますが、ダアトに着いてもまだ迷ってハッキリとした結論を出せないというのであればマルクトに行くようにさせていただきます。もうそこまで来たならいっそ貴殿方を供から外した方がこちらとしてもスッキリしますし、貴殿方からしても付いていかなくて良くなったという言い訳も立つでしょう・・・いいですね？」
「・・・はい、分かりました・・・」
「・・・私もそれでいいです・・・」
ジェイドはそこから二人に視線を向けて新たな注意を添えていいかの確認を強く問い掛けると、二人は観念したように力なく頷いて返した。タイムリミットが今度こそ具体的に決まってしまい、それを否定出来る状況にないことに。









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