決断に判断に行く先と

「・・・言い方は悪いが、このままヴァン達と戦い奴らを倒してガイが生き残っていた場合、どう考えてもいい事になるとは思えん。あいつがファブレへの復讐を果たすことを諦めないこともそうだが、それ以上に俺達のいた方のガイ以上にあのガイが俺か誰かに寄りかかり依存してくる可能性が高くなると俺は見ている」
「依存・・・」
「あぁ。あいつは自覚はしていないだろうが、自分のことをどうにか導くか寄り掛からせてくれる者を欲している。おそらくヴァンはそういったガイの性質を理解していてかどうかはともかく、あいつの面倒を表裏共に見ていたことからガイに慕われていた。しかしそんなヴァンがいなくなればガイがどうなるか・・・パターンとしてはこちらに依存してくるか、ファブレを滅ぼしたからガルディオスを復興させろとマルクトに詰め寄っていくというのかのどちらかのパターンだと見ている」
「・・・詰め寄るって、マルクトがガルディオスを復興させない可能性はあるのか・・・?」
そうして力なくアッシュがガイがどういった行動を取るかを考えを話していくが、マルクトがガルディオスとして迎え入れない可能性についてを口にしたことにルークは眉を潜める。
「言っておくが、俺達の方のガイがガルディオスにすんなりと戻れたのはあくまであの状況が良かったからだ。もしあそこでカースロットがガイにかかっていなくてそのまま行ったなら、ガルディオスだなんてガイは言い出すことなどなくヴァンがその事を言い出さなかったならファブレに戻ることになっていただろう。ファブレに復讐したいという気持ちが白日に晒されなければ、少なくともファブレへの気持ちに区切りをつけるまでガイは何も言い出さない・・・いや、言い出す時が来たとしたなら自分が復讐を果たした時だけだろう。復讐を諦めたとしてもわざわざ自分はガルディオスで復讐を諦めましたから安心ですなどと、馬鹿正直に言っても父上がなら許すだとか見逃すなどと言うとは到底思わんからな」
「あ~・・・確かにガイや父上達の立場から考えれば、言い出せないし見逃せないか・・・」
「そうなるが、もし言い出さないとしてマルクトに戻ってガルディオスですと切り出したところでピオニー陛下はまだしも、他の貴族達が歓迎するとは到底思えん。何故なら今更だという話になるからだ」
「今更って・・・」
「あの時はあくまでジェイドがいた上でピオニー陛下に直接話と目通りが叶う状況にあったからのことだ。だが本来皇帝陛下という国のトップになどそんな簡単には会えんのは分かるだろうし、そういった時には誰かが取り次ぐのが普通だ・・・だが端から聞いたならどう思う?今まで十数年敵の元にいて復讐の機会を伺っていたが、色々とあって思い直したからこちらに戻ってきたので手っ取り早く地位をください・・・などと要約して言われてだ」
「っ!・・・それは、確かに端から聞いたらすごく図々しいって思うな・・・」
「あぁ、ハッキリ言ってしまえば開き直りに近く感じ取れる。それにおそらく今回もグランコクマに行くことになるだろうが、そうした時に自分はそうだと告白しなかったとなれば印象はまた悪くなるだろう。その上でヴァン達を倒した後となれば預言の中身をジェイドから伝わる形でマルクトも知っているだろう事から、ガイに対する印象はより悪くなるのは避けられん。もしもの場合は戦争を引き起こしかねない事を承知していたならしていたででもそうだが、してなかったならしてなかったででそれこそ問題になる・・・もしファブレを滅ぼして戻っていたなら国際的にも大問題だと言うのに、そんなことを一切考慮していないままに自分がファブレを滅ぼしたんだなどと勝手に宣言されていたなら・・・最早預言など関係無く、どちらかが滅びるまで戦争をしなければならん。そしてその時になれば外殻大地の降下及び障気の押し込みにプラネットストームの停止も済んでいるだろうから、途中で戦争を止めなければならないアクシデントもない・・・という状態が考えられるんだからな」
「っ!・・・何もなかったからそれでいいじゃないかってするにはあまりにもまずいし、これからも何かをしでかすんじゃないかってなるからガイを歓迎したくないってなるってことか・・・」
「そういうことだ」
・・・そうしてアッシュがいかにガイが何かをしでかしかねないかにマルクトがどう見るかを語るそれらの中身に、ルークはたまらず冷や汗をかきながらも否定を返すことが出来なかった。推測でしかないというにはあまりにも重く、決してガイは大丈夫だと今までの経験もあって楽観視出来ない物だったために。









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