決断に判断に行く先と

「なぁガイ・・・俺やアッシュがこんなことを言うのもなんだけど、そうまでして無理に俺達に付いてくる理由なんてあんのか?ぶっちゃけた話として言わせてもらうと、そうして丁寧な態度を崩さないって事に関しちゃちゃんとやってはいると思うんだよ。けどよ・・・今だから言わせてもらうけどお前ってそこまでしてファブレや俺達に忠義があるから付いてきたいとか、ファブレを信じたいからどうにかしたいって言うような人間って風には見えねーんだよ」
「なっ・・・!?」
「別にそれが本当だとかどうかだったり、そういった風に見られるのは屈辱的だなんて怒りがあるかとかぶっちゃけどうでもいいんだよ。俺がどういう風に見えたかを言ってるだけだしな・・・そしてそう思った理由としちゃさっきに言ったティアへの怒りと今の悩んでいる姿を見て、屋敷の中での感情なんてねーんじゃねーのかって感じの姿とのギャップがあったから言ってんだ。実際お前がファブレにいるのって給料がいいからだとか、他に行くとこが無いから離れてねーだけなんじゃねーかってな」
「そ、それは・・・その・・・」
そこにルークがファブレへの気持ちについてどうなのかと自分の立場から感じたことを言葉にしていくのだが、ガイはその中身に図星を突かれているだろうことと最早取り繕うことも出来ないような精神状態であろうことからしどろもどろにしか言葉を発する事が出来ていない。
「・・・今更だが俺も屋敷にいた頃のお前の態度に、ルークと似たような気持ちを抱いていた」
「っ!?」
「勘違いするな。それが事実だとしてもお前を責める気も咎める気もない。だがそうだと言うなら今言ったようにファブレがお前を確実に大丈夫なようにしてくれるとは限らん上に、もしヴァンと何かあるから行きたいと言うにしてもヴァンが何らかからお前を引き入れようとしてきたとしても一度あったことだ。二度あることは三度あるという言葉があるようヴァンの事だから、影でまた何か裏切り行動を起こさんとも限らんが・・・何よりこれからの事を考えればヴァン達と対峙する時が来れば、俺達か奴らのどちらかが死ぬまで戦うことになる可能性は非常に高い。そしてティアならその時にどうにか説得したいと考えるだろうが、奴がそれに応じる可能性はまずない」
「っ!・・・そう、言い切るんですか・・・」
「奴の顔の使い分け方は多岐に渡るが、それもこれも自分の計画を優先するが為の物であり自身の手の者達には自身の計画を明かしていた。まぁ一個人としての顔でではなく責任者としての顔でだが、それでも奴は自分がそうしたい上でそうすることに迷いも戸惑いもない・・・お前がヴァンに対してどう思っているかはともかくとしても、その顔を見てきた俺からすれば奴が改心するなど到底有り得る物ではない。下手に奴に一般的な善意を期待をすれば致命的な事になるぞ」
「っ・・・!」
更にアッシュもルークに同意をしつつヴァンに過度な期待をするべきではない根拠を語っていくと、ガイはたまらないといったように歯を噛み締めた・・・ガイとしてはヴァンの善性と言うか自分との関係からどうにか何かにこぎ着けないかと考えているのだろうが、それが出来ない可能性が高いということを聞かされて。









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