決断に判断に行く先と

・・・そうして二人が宿に戻りガイのいる部屋に行くと、一人ベッドに神妙に腰掛けている姿を見付けた。



「これは、二人とも・・・」
「いい、立ち上がるな。少し聞きたいことがあるから話をしに来ただけだ。長く時間を取るつもりはない」
「・・・話?」
二人が部屋に入ってきたことに気付き立ち上がろうとするのをアッシュは手を出して制し、話があると切り出すとガイは訝しげに眉を寄せる。
「つい先程俺達はティアに呼び出されて話をしていた。その中身についてはヴァンのことについて話をしてほしいという物だったが、要約すればガイにヴァンの事を言われたから俺達にもいい人だろうみたいなことを引き出したいといった中身だった・・・そこで聞きたいのが二つある」
「二つ、ですか?」
「あぁ。まず一つはお前が何とティアに言ったのかもそうだが、もう一つはどういった経緯にどんな関係かまで言えと強制はしないが、お前もまた何かヴァンに対して思うところがあるのかというのを確認したい」
「っ、それはその・・・二つ目は何故・・・」
「言っただろう、ティアがガイにヴァンについてを話し掛けられたと・・・と言うより、そういったようにヴァンに何かしら気にかける様子を聞かされればいやが上にでも考える。お前とヴァンの間に顔見知りの他人というような物ではない何かがあったからこそ、そういったようにティアに話し掛けたのではとな」
「っ・・・」
そんな姿にアッシュはシンプルに自分の聞きたいことに感じたといったことについてを口にしていくのだが、ガイはそれらの中身に苦さを隠したいといったように口元をひくつかせる・・・ヴァンや自分の事を馬鹿正直に言えるはずがないというのを隠したいというよう。
「言っただろう、どういった経緯に関係かまでは強制して言わせるつもりはないと。だがここまで来たのだから思うところがあるかないかに、そこまで付いてくるかを悩む程なのかを聞かせてもらいたいと思ったからこうしてそのままここに来た」
「・・・もし、それに答えたくないと言ったら・・・?」
「・・・本当ならお前とヴァンがどれだけの間柄かを把握したいという気持ちを曲げ、気持ちくらいでいいと妥協をしてそう言っているんだ。なのにそれすらも言いたくないというのであれば、ジェイド達と話をしてお前は連れていかない方がいいというように相談をしに行く」
「なっ・・・!?」
「横暴だというように思うかもしれんが、ティアもティアで今も尚自分勝手に言いたくないことは言いたくないで自分の言いたいことは言うというスタイルを変えることはない。そしてそんなティアに関してヴァンと敵対が出来るかに関して手放しで信用出来んと言うのはお前も分かるだろうとは思うが、ヴァンとのことについて何かあるような素振りを見せておきながら言いたくないで済ませたいというならお前もティアと同等・・・いや、ティア以上にお前を怪しむのは当然だろう。一応ファブレの屋敷の中で顔を合わせていたとは言えティアと違いお前とヴァンは赤の他人なのに、そのような思わせ振りでいて秘密を抱えるような態度を見せられてはな」
「っ・・・!」
そんな姿にアッシュはそれでも何も言わないなら連れていかないようにすると不審点についても併せて口調も厳しくして告げると、ガイはたまらずに息を飲み苦渋といった表情に変わる。怪しまれるのもそうだが、ここで一行と離されることなど本意ではないと言うよう。









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