決断に判断に行く先と
「勿論というか、ジェイドからその話について俺は報告を受けたが・・・そもそもを言うならキムラスカの領土の多くが湿地に砂漠といった乾燥地帯で、エンゲーブのように豊沃でいて広大かつ様々な作物を育てられるような土壌がある場所などなかった。だから先人達も他に様々な事情が絡まったこともあり食糧問題に関しては改善には動けなかったが、俺はそれを試験的な意味合いを含めつつも高い確率にしつつ改善をしようと動こうとした。例えるなら暗闇の中でどこにゴールがあるかも落とし穴や何らかの障害があるかも分からない状況の中、ゴールを探しつつ足元の道を固めていったり闇を照らす外灯をつけていくような地道な作業を俺はしていたつもりだが・・・ナタリアはゴールがあるならひたすら探しながら全力疾走をすればいいではないかと、どこにゴールがあるかも分からずどこで何かに引っ掛かるかなど考えてもいないというような物だった」
「うわぁ・・・それってゴールが明後日の方向にあったら意味ないだろ・・・」
アッシュはジェイドから話を引き継ぎつつ自分とナタリアの行動を例え話として口にし、ルークはその中身にたまらず頭を抱える。ゴールは目指すべき場所である筈なのに、そこの場所すら把握してないのでは簡単には辿り着ける筈がないと。
「意味がないどころか、キムラスカにとっては多大な損失にしかならないのは誰の目から見て明らかだった。しかしナタリアは人数や金を集めて作れるなら作れればそれでいいし、失敗なら失敗でいい・・・ではなくこれだけの人員と金を投資したのに何故失敗したんだ、という叱責の言葉を向けるのは目に見えていた。どんな作物を作るだとかどこに畑を設けるだとか、肝心の作物を作るための環境を整えることを考えずにそこは貴方達に任せたことではないかと丸投げする形でな」
「現に彼女は貴方ならどこにどういった作物を作ればいいか分かるでしょうから、早くそうしてくださいといったように私に早期解決を命じてきました・・・まだるっこい事が嫌いなのは以前より知ってはいましたが、土地柄の関係上簡単に解決を望めないからこそ和平が成っている状況だから私達にアッシュが頭を下げてきたのに、私と気安い間柄だからと言っても私以外も含めて他国の人間に命令をする形でです」
「・・・流石にそれは駄目だろ、ナタリア・・・」
しかしそんな気持ちに追い討ちをかけるようそれ以上に酷いとアッシュとジェイドが口にしていくナタリアの考えと行動に、ルークはより深くうなだれてしまう。あまりにも先だったり色々なものを見据えてなさすぎるそれらの行動に。
「・・・一応ジェイド達の努力の甲斐もあり、キムラスカの土壌でも作れる作物であったり比較的に国内で緑が豊かで水源も不足していないベルケンド付近にエンゲーブ程ではないとは言え、新たな田園や畑を切り開くことが出来た。だがナタリアの声を全く止めることなくそれらの問題に取り組んでいたならどうなっていたか・・・おそらくとは言わず、間違いなく食糧問題に関して暗礁に乗り上げ税金や労力を無駄に浪費しただけだろう。そしてナタリアは自分が言い出したことであるのに、貴方達が失敗したことだと言うだろう・・・言葉面では貴殿方の事を信頼しているからこそ任せたことなのにと言う中で、自分が言い出したことであるのを棚に上げてだ」
「そうはならなかったのはアッシュを始めとした人達がどうにかしかたからなんだろうけど・・・だからアッシュはそんなことにはさせたくないからナタリアに自分と同じだけの権力を持たせないようにするって言ったのか・・・」
「そういうことだ・・・」
その上で結果はちゃんと出したと言いつつナタリアでは無理だったろうとその時の仮定を聞いてルークも弱々しくも納得の声を漏らすが、アッシュは少し疲れたように頭に手を当てる。
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「うわぁ・・・それってゴールが明後日の方向にあったら意味ないだろ・・・」
アッシュはジェイドから話を引き継ぎつつ自分とナタリアの行動を例え話として口にし、ルークはその中身にたまらず頭を抱える。ゴールは目指すべき場所である筈なのに、そこの場所すら把握してないのでは簡単には辿り着ける筈がないと。
「意味がないどころか、キムラスカにとっては多大な損失にしかならないのは誰の目から見て明らかだった。しかしナタリアは人数や金を集めて作れるなら作れればそれでいいし、失敗なら失敗でいい・・・ではなくこれだけの人員と金を投資したのに何故失敗したんだ、という叱責の言葉を向けるのは目に見えていた。どんな作物を作るだとかどこに畑を設けるだとか、肝心の作物を作るための環境を整えることを考えずにそこは貴方達に任せたことではないかと丸投げする形でな」
「現に彼女は貴方ならどこにどういった作物を作ればいいか分かるでしょうから、早くそうしてくださいといったように私に早期解決を命じてきました・・・まだるっこい事が嫌いなのは以前より知ってはいましたが、土地柄の関係上簡単に解決を望めないからこそ和平が成っている状況だから私達にアッシュが頭を下げてきたのに、私と気安い間柄だからと言っても私以外も含めて他国の人間に命令をする形でです」
「・・・流石にそれは駄目だろ、ナタリア・・・」
しかしそんな気持ちに追い討ちをかけるようそれ以上に酷いとアッシュとジェイドが口にしていくナタリアの考えと行動に、ルークはより深くうなだれてしまう。あまりにも先だったり色々なものを見据えてなさすぎるそれらの行動に。
「・・・一応ジェイド達の努力の甲斐もあり、キムラスカの土壌でも作れる作物であったり比較的に国内で緑が豊かで水源も不足していないベルケンド付近にエンゲーブ程ではないとは言え、新たな田園や畑を切り開くことが出来た。だがナタリアの声を全く止めることなくそれらの問題に取り組んでいたならどうなっていたか・・・おそらくとは言わず、間違いなく食糧問題に関して暗礁に乗り上げ税金や労力を無駄に浪費しただけだろう。そしてナタリアは自分が言い出したことであるのに、貴方達が失敗したことだと言うだろう・・・言葉面では貴殿方の事を信頼しているからこそ任せたことなのにと言う中で、自分が言い出したことであるのを棚に上げてだ」
「そうはならなかったのはアッシュを始めとした人達がどうにかしかたからなんだろうけど・・・だからアッシュはそんなことにはさせたくないからナタリアに自分と同じだけの権力を持たせないようにするって言ったのか・・・」
「そういうことだ・・・」
その上で結果はちゃんと出したと言いつつナタリアでは無理だったろうとその時の仮定を聞いてルークも弱々しくも納得の声を漏らすが、アッシュは少し疲れたように頭に手を当てる。
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