決断に判断に行く先と

「ジェイド坊やの言う通りアクゼリュスに兵を置くことが望まれんなら、タルタロスはそのままジェイド坊やが使った方がよいじゃろう。元々ジェイド坊やの管轄の物じゃったし、今は足が必要であろうからな・・・ただそれでダアトに向かうのはよいが、話に出た巻き込まれた者達はどうする予定じゃ?」
「この後取っている宿屋に行き、場合によっては泊まった上で元帥達の元に行っていただくようする予定です。本音を言うなら宿屋で話をしたならすぐに出発したいのですが、今後の事を考えればあまり覚悟の決まっていない方々を連れていきたくありませんし覚悟をちゃんと決めていただくことは大事です。特にナタリア殿下に関してはその立場もあって中途半端な覚悟で事に挑まれても、良くない事にしかならないでしょうからね」
「そうか・・・なら付いてこないと決めたならここに来るようにと伝えてほしい。その時はわしが責任を持ってその者達を預かろう」
「ありがとうございます、元帥」
そうして老マクガヴァンも理解を示した上でこの後どうするかという話になり、残ると決めた者達は自分に任せればいいとの言葉にジェイドは頭を下げる。






・・・それで話も済んで基地を出た三人は宿屋には直行せず、人気のない街角に移動した。
「・・・さて、イオン様がいたから自由に話を出来ませんでしたが今しばらくは時間を取れるでしょう。ですので怪しまれない程度に今後の事について話し合いましょうか」
「あぁ。ただ今後の事と言うが、目下の問題はティア達の事だな」
「あ~、その事についてまず俺の話を聞いてほしい。ちょっとこっちの俺から言われたことがあるんだ・・・」
そこで周りに気を使わず話が出来るとジェイドとアッシュが話を切り出す中、ルークは遠慮気味に手を上げつつ話を始める。ティアのもしもについてを。


















「・・・成程。確かにもしもの時はそういったようにティアを連れていくことを考えておいた方がいいだろうな」
「むしろ謡将との対峙の際に土壇場であちらに寝返る事も有り得ると仮定した上で、パッセージリングの操作が全て終わってない状況だった場合はそちらに考えをシフトチェンジした方がよろしいでしょう。これよりの旅路で彼女が我々に不満を抱かない可能性の方が低いのは今までからよく分かっていますし、何より覚悟は決めたなどと言っても謡将の言葉であちらになびく可能性はどうやっても消し去ることは出来ないでしょうからね」
「やっぱりそういったことになるか・・・」
・・・そうして『ルーク』の考えについて聞いた二人は納得と言った様子を浮かべる姿と言葉に、やはりとルークは力なくうなだれそうになる。ティアがどうしてもヴァンに寄る可能性が否定出来ないことに。
「と言うより、こちらのティアに関してはもう手の施しようがないとしか思えんがな。下手をすればどころか、どんな風になったとしてもヴァンが死んだとなれば良くて抜け殻になり悪ければ逆上して俺達に襲い掛かり・・・最悪の場合、自殺しかねないとすら今の話で俺は感じた」
「自殺って・・・!」
「それだけヴァンの存在がティアの中で大きく、依存性の高い存在となっているということだ」
更にアッシュがヴァンを倒した場合についてのティアがどうなるかの可能性を口にするが、その表情には迷いも何もなく真っ直ぐにパッと顔を上げたルークを見据えていた。









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