かつての想いと変える現在

「・・・ナタリアに限らずだが、この場の面々は事情は違えど全員死か沈黙を望まれているようなものだ。その中でもナタリア、お前はその立場もあって自分勝手に出ていって自分勝手に戻ってきてもそうそう簡単に許されないだろう」
「そ、それは・・・なら、私はどうすればいいというのですか・・・!?」
「俺から言いたいのは、それを承知の上で付いてくるかどうかについてをガイ達も含めて考えろと言うことだ。幸いと言っていいとは思わんが、このタルタロスを使えることで足は確保出来たから一先ず安全な場にでも向かう形にしてここから離れつつ、お前達にそれを考えてもらう形でな」
「そういうことでしたらセントビナーに向かいましょう。現状でキムラスカ側に姿を見せるのはあまり良くはないでしょうし、マルクト側にもこのことを説明したいので一番近くにあるセントビナーがちょうどいい目的地でしょうからね」
「あぁ、それでいいだろう」
そんなナタリアも含めてどうするべきか考えるようにと口にするアッシュに、話に出てきた安全な場についてセントビナーに向かいたいとジェイドが言うとすぐに頷く。
「・・・このタルタロスは最低限四人いれば動かすことが出来る。だからティアにガイにナタリア、お前達三人は確定でセントビナーに着くまでこれからどうするかにどうしたいかを考えていろ。後、アニスに関しては自分はどうするかを悩んでいるなら導師に自分も考えをまとめたいと言え。導師に頼むようなことではないだろうが、お前も俺達に付いてくることに二の足を踏みかねん状態であるのは感じているからその間タルタロスを動かす役目を頼むからな」
「イ、イオン様ぁ・・・」
「・・・僕は大丈夫です。ですからアニスも自分がどうしたいかを考えてきてください。その結果として僕から離れると選択するなら、貴女の生存に関しては僕の心の中で納めておきますから」
「・・・すみません、イオン様ぁ・・・」
「「「・・・」」」
そうしてルークとジェイド以外に考えるようにと言った上でアニスにもそうするように言い、イオンが気を使うような笑顔と言葉を向けたことにアニスはシュンとしながら頭を下げるが、残りの考えるように言われた三人は揃って苦さをこらえるような表情を浮かべるしか出来なかった。今までの話の中身から、どういった結論を出すべきかが分からないといったように。






・・・そうして四人が重い足取りでブリッジから出てアッシュにジェイドからタルタロスの操作をイオンが教わり、大丈夫だとなった所まで話は済んだ。
「・・・あの、アッシュにルーク・・・少しいいですか?」
「何だよ、イオン?」
「その・・・二人は互いに対して思うところはないんですか?特にルークはあの、自分のことを知って・・・」
「あ~・・・そういうことか・・・」
それらを聞き終わった後にイオンは質問をと切り出すが、やたらと探るようでいて聞きにくいといったような様子の言葉にルークは納得する。レプリカの体についてを知って、少なくとも気分が良くないんじゃないかと考えて怒らせないようにしたいという様子に。
「・・・まぁ思わねー所が全くねーって訳じゃねーよ。けど今の俺の状態としちゃ一周回って冷静になったって部分もだけど、話を聞いて納得したのが併さったような気分なんだよ。俺の記憶が七年以上前から全く思い出せねーこともそうだけど、それなら屋敷やこれまでの旅で見せてきたあのオッサンの態度は俺が本物のルークじゃねーからなんだってな」
「っ・・・それは・・・」
「フォローの言葉を探さなくていーんだよ、俺が感じたことなんだからな」
ルークはまずはと自身の気持ちや考えについてを口にしていき、イオンが何か言いたげな様子に頭をかきながら何でもないというように返す。









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