「言っておくが、これは大げさでも嘘でもない。この意味についてはティア・・・少なくとも世界を滅ぼすと言う部分に関してはヴァンを襲った理由も合わせて、お前なら分かるだろう？」
「っ！」
「・・・成程。どうやらアッシュの言う通り、少なくともティアは嘘や大げさとは言えない事実があることを知っていると言うことですか」
すかさずアッシュがティアを引き合いに出して嘘ではないと言うと、その当人は明らかに何かを知っているといったようビクリと体を揺らしてジェイドもその反応に目ざとく・・・と言ったように嘘ではないことを周りに強調する。
「・・・じ、じゃあ・・・大げさでも何でもなく、謡将はそう出来るだけの手段を持ってるって事なのアッシュ・・・！？」
「あぁ・・・だがこれに関しての証明が欲しいと言うなら、ダアトに行くまで少し待て。現状で言葉だけの説明ではどうせという言い方になるが、お前達も完全には信じることは出来んだろうからな」
「・・・ダアトにその答えがあるって言うの？」
「正確にはダアトから近いところにだが、それが間違いではないのはティアの反応から想像はつくはずだ」
「っ・・・！」
「あ～・・・確かにティアの反応からして、嘘や大げさでも無さそう・・・」
アニスは信じられないといった響きを隠せないままにその確認を向けてきて、アッシュがダアトまで待つようにすればとティアに視線を向けながら告げると分かりやすくまた体をビクリと揺らす姿に呆れを向けながらも納得する。アッシュの言ったことが確かだということ以上に、ティアが図星だとばかりに全く動揺を隠せていない様子に。
「・・・証拠に関しては実際に見てみなければならないとは思いますが、もうティアの態度から提示されたような物だと仮定した上で・・・一つ、私から質問をよろしいでしょうか？」
「何だ、ガイ？」
次にガイが間違いないだろうと言いつつ丁寧に、だが探るような視線を向けながら問いを向けたいとアッシュに声をかける。
「・・・そうした謡将の行動に付いていけないと思ったから動いたというように先程はおっしゃり、謡将と敵対することを選んでこうしているというのでしょうが・・・こちらのルーク様と貴方の関係も含めて、ファブレやキムラスカとどのように対するか考えているのですか？」
「「「っ・・・」」」
そんなガイから出てきた慎重な疑問の中身はファブレ関連の事への対応についてであり、ルークにジェイドにアッシュの三人はその疑問の意図を少なからず感じ取って表情を僅かながら歪めていた・・・ヴァンの事に関しては一先ず置いておいて、ファブレ関連の事に関してを判断する為にこう言ったのだと。
「・・・その事に関しては俺としてはそちらのルークの事も含めて、基本的に穏やかに事を進めていきたいとは思っている。だがキムラスカとファブレに関しては十中八九そんな事にならないのは承知しているが、その上で行動するつもりではいるが・・・そういうお前はどうするつもりだ？」
「っ、どうする・・・とは・・・？」
「言い方が悪いのを承知で言うが、お前達和平の使者の一行は死を願われてアクゼリュスに送り出された身であり、生きて帰ることなど預言の事を知る者達からすれば到底望まれることではない。特に聖なる焔の光とマルクトの軍人であり死霊使いとまで呼ばれるジェイド＝カーティスの二人は必須になるが、だからと言ってガイにティア・・・お前達二人は見逃されるという訳ではないというのを分かっているのか？」
「「っ！？」」
アッシュはその疑問に少し考えた後に答えを返すのだが、ティアも関係無い訳ではないといった旨の言葉を更に口にするとガイは二人共に息を大きく呑んだ。自分達は関係無いと言えないと強調されたことに。









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