「ヴァンもまた預言の事を知った上でその達成の為の現場の実行役のような形を請け負っていたが、それはあくまで建前・・・ヴァンはその実行役としての顔の裏側で、俺をキムラスカから拐いそっちのルークを身代わりに置くことで預言を欺き俺の身柄を得るようにしたんだ」
「・・・何故、謡将はそんなことを？」
「預言による犠牲になることを強いられた俺に情が湧いたと言う部分も無くはないだろうが、最もな理由は俺の身体情報の音素振動数がローレライと同じだという部分があるからだ」
「・・・音素振動数？」
アッシュがヴァンがいかな風に行動をしているかを話していく中でガイは慎重でいて探るような視線を向けながらその意図について問う中、ローレライと同じ音素振動数という答えに眉を寄せる。
「疑似超振動についてはファブレの屋敷で起こったことだからこの場にいる者全員聞き及んでいる筈だが、疑似超振動は第七音譜術士が二人はいないと発生させることが出来ないのに対して本当の超振動はローレライの音素振動数でなければ出せないと言われている・・・だがそんなローレライの音素振動数と同じ身体情報の持ち主が俺であり、そこのルークだ」
「っ、分からない・・・超振動が狙いだと言うなら、何故入れ替えなんて・・・」
「フォミクリー技術は記憶に今までどのように生きてきたかの経験までもはレプリカの体に全てを入れ込むことは出来ない。そしてヴァンはレプリカという存在について、人間ではない存在という事から酷くレプリカという存在を見下している・・・だからヴァンは預言を欺くことに超振動という力を求め俺を助ける事と様々あっただろうが、自分の手元にレプリカを起きたくないという気持ちがあったのは確かだろうな。そして自身の目的からそれを明かしたくないというか明かせるわけがないと思ったからこそ、ヴァンはキムラスカ側に何も言わなかったというより言えるはずもなかったと言うわけだ。そんな目的で人の入れ換えを行っておいて、ヴァンが許される筈などないのは目に見えていたからな」
「っ・・・」
アッシュは律儀にその理由についてを詳しく説明した上でヴァンの行動についてを話すと、ガイは複雑さを隠しきれずに表情を歪ませる。



(『・・・ガイの様子って、どうなんだ・・・？』)
(師匠が俺達二人の事について教えてなかったことを考えてはいるんだろうけど、多分疑う気持ちと信じたいって気持ちでごちゃになってると思う・・・元々ガイって師匠について信じてるかどうかっていうより昔馴染みに対する思いに自分が主側って気持ちはあっても、従いたいだとか騙されるなんてそういう考えはなかっただろうし・・・)
(『あ～・・・そういやそうだったっけ、あの二人の関係って・・・そりゃガイからすりゃ複雑だろうな、色々騙されてたんだし・・・』)
そんな光景を端から見ていた『ルーク』はガイはどう思っているかをルークに聞くと、立場として様々な想いがあると返ってきた言葉に納得する。今の状態にガイの立場なら、確かに複雑でしかないのは分かると。



「・・・どうして兄さんはそこまでして、超振動を・・・」
「それをお前が言うのか？・・・と言うよりお前はヴァンが何を起こそうとしているのかを知ったか聞いたから、バチカルで行動を起こしたんだろう」
「っ！・・・そ、それは・・・」
そんな時にティアが何故と漏らすが、アッシュの追求にすぐに言葉を詰まらせる。そこに繋げられるとは思ってなかったというよう。









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