かつての想いと変える現在
「・・・少しずれましたか。心臓を狙ったつもりだったんですがね」
「何をやっているんですか大佐!?兄さんに攻撃するなんて!?」
「お言葉ですが、攻撃されたのは我々からですよ。現に彼は先程斬りかかられましたし、謡将もこの期に及んで嘘などつかないでしょう」
そんなジェイドは悪びれないどころかむしろ失敗したと冷静に言い、ティアは批難めかせた声を向けるがヴァンから仕掛けたことだと視線を向けながら口にする。
「・・・確かに、大佐の言った、通りだが・・・私はもう、撤退させてもらう・・・流石にこの傷は、重いのでな・・・!」
「兄さん!」
そんなヴァンは空を飛びつつ苦悶の様子ながらも辛うじて言うだけ言い残して飛び去っていき、ティアは手を伸ばすが全く留まることなくヴァンの姿が見えなくなってしまった。
「・・・あ、あの大佐ぁ・・・ここで一体何があったんですか?」
「今言った通りここまで来た我々に謡将が斬りかかってきたのです。ただそこで愚かなレプリカルークという言葉を謡将は発しましたが・・・その理由を知っていそうなのがそちらのアッシュ、でよろしいんですね?」
「あぁ、アッシュでいいし俺はその理由を知っている・・・ただここを出てから話すぞ。ここに連れてきた導師とも合流せねばならんからな」
「えっ!?イオン様を連れてきたの!?」
「当然だ。これ以降も奴らの元に導師を置いておく訳にもいかないと考えて連れてきた」
「そうなんだ・・・」
そうしてヴァンがいなくなった後で場の空気がどうにも停滞していた時にアニスが事態を確認したいと声を上げ、ジェイドからアッシュへと流れが行ってイオンも近くにいるとの答えにただその事実を受け入れる。
「お待ちになって・・・確かに導師の元に行かねばならないのは分かりますが、その前に一つ聞かせてください・・・貴方は何故ルークと瓜二つな見た目をされているのですか?」
「そう言えば、確かに・・・」
「・・・その事については繰り返すが導師の元でだ。俺は今先程言ったように神託の盾、いやヴァンの元から離反したが俺以外に手勢はいない。ヴァンや奴の配下の神託の盾達がすぐに導師の身柄を求めてくるとは思わんが、早く導師の安全を確保するに越したことはない」
「・・・分かりましたわ・・・」
だがそこでナタリアが二人の姿について不安げに疑問を口にしてガイもどこか探るように頷いたが、アッシュがイオンの安全が先だと言ったことに仕方無いというように引き下がる。
「では案内をお願いします。私達はどこにイオン様がいるのかは知りませんからね」
「分かっている。付いてこい」
そして話はまとまっただろうとジェイドがイオンの元へと言えば、アッシュを先頭に一同はパッセージリングを後にしていく。思い思いの表情を浮かべ、皆が皆複雑そうな空気を滲ませながら。
(『・・・あんまりがっつり見れなかった俺が言うのもなんだけど、あそこでジェイドが決められなかったのは惜しかったな・・・』)
(いや、多分ジェイドはわざと外したんだと思う)
(『えっ、どうしてだ?』)
(いや、下手をすると一回目に師匠を倒した時のように地核に落ちてローレライを取り込むなんて展開も有り得ると思うんだよ。前はそれで師匠が地核から出てきたし、師匠が復活する可能性がなかったらジェイドだったら譜術を使って魔物ごと地核に叩き落とすって風に選択したと思う。多分他にも理由はあるだろうけど、少なくとも本格的に戦うってならなかったからせめてダメージだけでも与えておこうって考えたんだろうな)
(『だから敢えてジェイドはあぁしたってことか・・・』)
そうして外に出るよう歩みを進める中で『ルーク』の声に反応してルークはこうじゃないかと返す。ジェイドは敢えてあぁすることを狙ったのではと。
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「何をやっているんですか大佐!?兄さんに攻撃するなんて!?」
「お言葉ですが、攻撃されたのは我々からですよ。現に彼は先程斬りかかられましたし、謡将もこの期に及んで嘘などつかないでしょう」
そんなジェイドは悪びれないどころかむしろ失敗したと冷静に言い、ティアは批難めかせた声を向けるがヴァンから仕掛けたことだと視線を向けながら口にする。
「・・・確かに、大佐の言った、通りだが・・・私はもう、撤退させてもらう・・・流石にこの傷は、重いのでな・・・!」
「兄さん!」
そんなヴァンは空を飛びつつ苦悶の様子ながらも辛うじて言うだけ言い残して飛び去っていき、ティアは手を伸ばすが全く留まることなくヴァンの姿が見えなくなってしまった。
「・・・あ、あの大佐ぁ・・・ここで一体何があったんですか?」
「今言った通りここまで来た我々に謡将が斬りかかってきたのです。ただそこで愚かなレプリカルークという言葉を謡将は発しましたが・・・その理由を知っていそうなのがそちらのアッシュ、でよろしいんですね?」
「あぁ、アッシュでいいし俺はその理由を知っている・・・ただここを出てから話すぞ。ここに連れてきた導師とも合流せねばならんからな」
「えっ!?イオン様を連れてきたの!?」
「当然だ。これ以降も奴らの元に導師を置いておく訳にもいかないと考えて連れてきた」
「そうなんだ・・・」
そうしてヴァンがいなくなった後で場の空気がどうにも停滞していた時にアニスが事態を確認したいと声を上げ、ジェイドからアッシュへと流れが行ってイオンも近くにいるとの答えにただその事実を受け入れる。
「お待ちになって・・・確かに導師の元に行かねばならないのは分かりますが、その前に一つ聞かせてください・・・貴方は何故ルークと瓜二つな見た目をされているのですか?」
「そう言えば、確かに・・・」
「・・・その事については繰り返すが導師の元でだ。俺は今先程言ったように神託の盾、いやヴァンの元から離反したが俺以外に手勢はいない。ヴァンや奴の配下の神託の盾達がすぐに導師の身柄を求めてくるとは思わんが、早く導師の安全を確保するに越したことはない」
「・・・分かりましたわ・・・」
だがそこでナタリアが二人の姿について不安げに疑問を口にしてガイもどこか探るように頷いたが、アッシュがイオンの安全が先だと言ったことに仕方無いというように引き下がる。
「では案内をお願いします。私達はどこにイオン様がいるのかは知りませんからね」
「分かっている。付いてこい」
そして話はまとまっただろうとジェイドがイオンの元へと言えば、アッシュを先頭に一同はパッセージリングを後にしていく。思い思いの表情を浮かべ、皆が皆複雑そうな空気を滲ませながら。
(『・・・あんまりがっつり見れなかった俺が言うのもなんだけど、あそこでジェイドが決められなかったのは惜しかったな・・・』)
(いや、多分ジェイドはわざと外したんだと思う)
(『えっ、どうしてだ?』)
(いや、下手をすると一回目に師匠を倒した時のように地核に落ちてローレライを取り込むなんて展開も有り得ると思うんだよ。前はそれで師匠が地核から出てきたし、師匠が復活する可能性がなかったらジェイドだったら譜術を使って魔物ごと地核に叩き落とすって風に選択したと思う。多分他にも理由はあるだろうけど、少なくとも本格的に戦うってならなかったからせめてダメージだけでも与えておこうって考えたんだろうな)
(『だから敢えてジェイドはあぁしたってことか・・・』)
そうして外に出るよう歩みを進める中で『ルーク』の声に反応してルークはこうじゃないかと返す。ジェイドは敢えてあぁすることを狙ったのではと。
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