かつての想いと変える現在

(だから俺は途中で投げ出すようなことはしたくないんだよ・・・ただこれはジェイド達には言わないけどな。流石にそんなこと言えないし、そんな風になって紫が拐っていった人がキムラスカやマルクトの上層部の人間とかだって分かったら俺は目も当てられないし・・・)
(『・・・分かった。そういう事情もあるってんならもう何も言わねぇよ。ただ何か辛いなら俺に言ってくれよ。俺でも何か力になれるかもしれないしよ』)
(あぁ)
そうして言えない理由を言いつつジェイド達には言えないと重く口にしたルークに、『ルーク』は理解が出来たと口にして力になると覚悟したように口にする。これ以上決意を止めるような事はしないし、ルークの邪魔はしないと。









・・・そうしてガイや『ルーク』との会話を終えたルークはジェイド達と共にデオ峠を越えた。リグレットの死体に関してはバレることなく、見付かることなくだ。

そのようにしてデオ峠を抜けた一同は然程距離が空いてないのもあり、アクゼリュスへと辿り着いた。






(『・・・話には聞いてたけど、本当にアクゼリュスの光景ってすげぇな・・・そして本当ならここには今も住民がゴロゴロそこら辺に転がってたってんだろ?』)
(あぁ・・・今は全くいないけど、本当にジェイドの行動もそうだけど漆黒の翼達に感謝だよ・・・)
街の入口に立ち障気が街を覆いつくすその光景に一同が表情を重くする中、ルークは『ルーク』との会話でホッとした声を漏らしていた。アクゼリュスの住民は前に言われたようにもう街の中には見えないことに。
「・・・兄さんはどこかしら?もう着いていてもおかしくはないはずだけれど・・・」
「着いているならどこか建物の中か、坑道の中といった所でしょう・・・何処にいるかは分かりませんが、救助作業をしているなら坑道の中が妥当でしょう。ただ何処にいるかは分かりませんので、手分けして探した方がいいでしょう」
「坑道で、手分けですか・・・」
そんな中でティアが早くヴァンに会いたいといったように口にするが、ジェイドが坑道と手分けという言葉を返してきたことに難色を浮かべる。特に手分けという部分に。
「一々探すのは面倒だという気持ちは分かりますが、だからと言って謡将が何処からか出てくるのを悠長に待つだけの時間を過ごす方が面倒です。そうするくらいなら自分達で探した方が建設的ですよ」
「・・・分かりました」
「では他に反対意見はありませんか?・・・なら手分けして探しに行きましょう」
ジェイドはすぐに手分けするのは仕方無いというように声をかけるとティアは仕方無さげに頷き、他に確認を取って反対の様子が見られないことにそうしようと返す。






・・・そうして手分けして探すことになったのだが、他の面々が別の坑道に行く中でルークはジェイドと二人でセフィロトのある第十四坑道へと向かう・・・ちなみにミュウは障気にあまり触れないよう安全の為ということから荷物の箱の中に入ってもらい、眠ってもらってある。勿論それはミュウを納得させるための方便であり、自由に動くための嘘でもある。
「・・・もうセフィロトへの扉は開いてるよな?」
「えぇ。ここでイオン様と揃って出会うような事になれば謡将が神託の盾との繋がりがあると明らかにしてしまいすから、リグレット達はそれは避けるようにと先に扉については開いてイオン様を待避させておいたはずです。ですので今頃はセフィロトに続く扉のあった場所辺りに待機していることでしょう。貴方が来るのを待つ形で」
「分かった。なら行くか」
そうして二人は本音を隠すことなく確認の会話を交わした後、頷きあって坑道の奥に向かう。ヴァンと対峙をするために。









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