かつての想いと変える現在

(『お前との付き合いはそう長くはないけど、お前がそんな時に辛いってのは知ってるしそれで諦めたくないってのは知ってる・・・けどいいんじゃねーのか?お前はちゃんとこっちのオールドラントの事をどうにかしようとしてきたし、紫や幽々子もお前がそういった風にしようとしてきたのは知ってるだろうし何より幽々子もお前が帰るのを早くって思ってるんだろ?・・・だったらもう紫に頼み込んで一連の流れをどうにかしてもらった方が早いだろうし、お前も辛くないだろ・・・こんな風にガイ達の事を悩むよりはよ・・・』)
(言いたいことは分かる・・・けどそれなら今から俺がそれで諦めるようなことにしたくないっていうような答えを返すってのも分かるだろ?)
(『それは、そうだけどよ・・・』)
(それに俺の性格は分かったかもしれないけど、紫の性格に関してはお前はまだ知ってない・・・だからそう言えるんだ)
(『えっ?紫?』)
『ルーク』はそこから辛いならもういいだろうといったように言うのだが、諦めるつもりはない以上に紫の事があると口にするルークにキョトンとした声を漏らす。
(紫はいい人じゃないっていうか妖怪だっていうのはお前も聞いただろうけど、そもそも紫がここまでお膳立てしてくれた上で手出しをしてこないってだけでも実際マジで珍しいんだよ。それで多分っていうかまず間違いなく俺が途中で諦めるようなことをしたら、もう後は勝手にしてもいいんだって風に考えかねないんだよ。例えて言うともう俺がリタイアをしたんならここの人間は誰彼構わず幻想郷の妖怪の餌にしてもいいんだって風にさ・・・)
(『なっ・・・!?』)
(嘘だろって思うかもしれないけど、紫が幻想郷の為に動くっていうのは確かなんだ。それで人の個人的な頼みに関しては滅多に聞き入れてくれることもないし、そもそも友達だっていう幽々子だから紫に会えたし俺の気持ちも含めて頼み事が出来たって部分もあるんだ・・・一応幽々子の手前もあるから俺の言葉を聞き入れてくれて最低限に行動して監視する程度に収めてくれてはいるけど、俺がギブアップしたらどう紫が動くか分からない・・・事がうまくいくなら、最終的に預言や師匠達による滅びが回避出来るならって風に言葉の揚げ足を取る形で大多数の人達を犠牲っていうか妖怪の餌にしようとする可能性がある・・・そして紫ならそれが出来るだろうし、俺にそれを悟らせないようにすることも出来るだろう・・・)
(『・・・だから途中で降りることはしないっていうことか・・・紫にそんなことをさせないために・・・』)
(・・・この事に関しちゃあんまり言いたくはなかった。けどこうして俺の気持ちでお前の体をもらいうけるような真似までしておいて逃げるなんて嫌だったって以上に、そうして俺が逃げたら紫がどうするか分からないのもあるから逃げたくはないんだ)
(『・・・そうして逃げたら、後味が悪いどころじゃ無くなるからか・・・』)
・・・そこからのルークの紫が取りかねない行動についての苦い予測の言葉に、『ルーク』もまた苦い思いを感じながらも逃げればいいといった言葉を続けることはなかった。人間ではなく妖怪としての思考を持ち、幻想郷の為を優先出来る紫を必要以上に動かすことは出来ない上に動かせないと理解した為に。









.
5/27ページ
スキ