「・・・俺は個人的にはオッサンは怪しいとは思っちゃいる。けど証拠がねーし、オッサン自身も否定してるし何よりここにはオッサンがいねー。だからどうなのかってのは確かめようがねーしな」
「それは、そうですが・・・」
「お前からすりゃどうにか考えに白黒つけてーとかって気持ちになってんだろうが、ここじゃ何も決まらねーだろ。まぁ何か分かるとしたら、目と鼻の先にあるアクゼリュスなんじゃねーか？オッサンもいるし、神託の盾も来るらしいことになってる・・・オッサンが神託の盾に指示を出してたかどうかを確かめるには行くしかないんじゃねーか？お前があのオッサンに対して何を考えてこう言い出したかはわかんねーけどよ」
「っ・・・そう、ですね・・・では私は続けて大佐に話を聞きに言ってきますので、失礼します・・・」
「おう」
ルークはそんなガイに『ルーク』に言ったよう思わせ振りでありながら同時に覚悟をするように言えば、苦い様子を浮かべながらも頭を下げて場を離れていった為にその様子を見届けつつ一人に戻り歩みを続ける。
(『・・・あれでよかったのか？』)
(変に師匠に疑いを持たせるようなことをベラベラ喋ってもあんまり良くない気がしたんだよ。前よりはガイと距離は近くなったかもしれないけど、何て言うかジェイド達の話を聞いた後だとこっちに必要だからって心を近付けすぎてもよくないと思ってな・・・)
(『あぁ、そういうことか・・・』)
『ルーク』はそのやり取りについて良かったのかと聞くと、複雑そうに返ってきた返答に納得してしまった・・・伝え聞く限りではあるが前にいた方のガイのルークに対するどこか歪んだ想いを考えれば、あまり精神的に遠ざけることもそうだが近くにいさせるようなことをするのも良くないと感じ。
(だから俺としちゃガイには自分でどうにか師匠のことに答えを出してほしいんだ。中身が俺になったから戸惑うことが大きかったり、誰かに頼りたいって気持ちがあることは分かるけど、今後のことを考えると俺が安易に答えを出してもガイの為にもならないんじゃないかって思うからな)
(『それでガイがオッサンの元に向かう可能性もあるんじゃねーのか？今の感じだとオッサンに不信感があるだろうから、そうそう簡単にはなびきそうにねーと思うけどよ・・・』)
(そこから先はそうならないでほしいって願うばっかりだよ・・・アッシュと会ってどう言った風になるかってのも不安要素だし、最終的にガイの選択について決めるのは俺や他の誰でもなくガイでしかないからな・・・だからそう願うしかないし、もしもの時は・・・)
(『殺すしかない、か・・・』)
(あぁ・・・)
その上でガイに選択肢を委ねると共に駄目だった時の事を口にしたルークだが、それがいかに残酷なことか・・・『ルーク』がその答えを苦く口にしたことに同じように苦く頷く。
(『・・・なぁ、さっきの続きを聞くけどよ・・・今更みたいなことを言うけど、辛くないのか？今の状況・・・』)
(辛いって・・・)
(『なんつーかお前の過去の記憶のこともあって、色々とやれてるってのは分かるんだけど・・・そうした記憶からガイ達とかオッサン達の事って色々辛くないのかって思ったんだよ』)
(そういうことか・・・)
『ルーク』はそこで改めて先程の問いについてを口にし、その中身にルークは少し考え込む。









.