かつての想いと変える現在

「と言うことですのでどちらもこの先にはいませんでしたが、情報提供した者からの手紙の事を考えるとアクゼリュスで神託の盾とかち合う可能性はやはり否定は出来ません。峠を越えるまではともかくとしても以降は注意して行きましょう」
「そうですねって言いたいですけど、大佐達は休憩はいいんですか~?偵察に行って来た分疲れてると思うんですけど・・・」
「大丈夫ですよ。二人でここに戻って来る前に話をしましたが、特に問題も無かったので出発しましょう」
「は~い」
ジェイドはそこからルークを連れていったことを終わらせ先の注意を告げ、アニスの言葉に簡略に大丈夫と答えると一同は先に向かうべく歩みを進める。



(『いよいよこっからがアクゼリュス・・・今の空気的に別にそこまで雰囲気は悪くねーようだけど、もし俺がこの場にいてジェイドがお前の方のジェイドじゃなかったらどうなってたんだろうか・・・』)
(予想しか出来ないけど、会話があったかどうかも正直微妙かもな・・・ただ多分俺の時よりはまだ悪くはなってないとは思う・・・あの時の俺、師匠の元に早く行きたい行きたいってあまりにも空気が読めてなかったからな・・・あの時の俺・・・)
(『そんな酷い空気だったのかよ・・・』)
(今思い返すとマジでな・・・)
そんな形で歩く中でふと『ルーク』が漏らした声にルークは答えるが、その時の事を思い出す時の声には後悔の念が強く滲んでいた。あの頃は幼く愚かだったなどと言い訳など出来ない程、周りに目を向けることも出来ずに盲目に動いてきた自分に対して。
(『・・・なぁ・・・』)
(ん・・・?)
「すみません、ルーク様。少しよろしいですか?」
「・・・ん?なんだよ、ガイ?」
そんな様子に『ルーク』が意を決したように声をかけようとしたが、外からガイが声をかけてきたことにルークは意識をガイに向け、『ルーク』も邪魔にならないようすぐに黙りこむ。
「・・・先程大佐が話していた神託の盾のことなのですが、ルーク様は誰の指示で動いていると思われていますか?」
「は?どうしてんな質問を俺にいきなりしてきたんだ?つーかそういったことってどっちかっつったらジェイドの方に聞くもんだと思うけどよ」
「・・・後で大佐にも話を聞いてみるようには考えていますが、ルーク様の考えもお聞きしたいのです。謡将は前に自分は神託の盾の行動とは関係無いと言ったように言っていましたが、もし謡将と神託の盾に繋がりがあって首謀者が謡将だというなら・・・アクゼリュスで謡将は何をするのかと思ってしまい・・・」
「不安が出てきたってことか」
「はい・・・」
ガイがそこから口にしたのはヴァンと神託の盾の繋がりを疑うような物で、ルークの確認の声に少し表情を曇らせつつ頷く。
(『どうすんだ?ガイにオッサンへの疑いがあるってのはともかくとしても、ここで馬鹿正直にオッサンがそうだろなんて言うのか?』)
(いや、流石にそれは露骨すぎるからちょっと思わせ振りな話でここは済ませておく。今のガイの状態を考えると下手に師匠が敵だなんて思い込むと、周りの事を考えずに行動しかねないと思うからな)
『ルーク』はその様子にどうするのかと聞くと、慎重にいくといったようにルークは返す。焦るのは良くないと。









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