行くべき先と決める決意

「・・・まぁそんな風に考えてた俺が立ち直れたって言うか、気を取り直せたのは幽々子達のおかげだったんだ。生きていくっていうか、生きても死んでもいないならこうして在り続けられるなら在るようにしていきたいってな・・・まぁそれが難しいっていうか、危険な兆候が見られ始めたから幽々子が紫にどうにかならないかって言ったことから始まったんだけどな」
「・・・その時貴方はいずれ何も残らず消滅するかもしれなかったのに、どうにか在りたいと思うようには考えなかったのですか?」
「・・・そりゃな。そうしたいなとは考えてはいたよ。けど普通に考えたら俺みたいな体になるなんて考えてもいなかったし、そんな体に解決策があるとも思ってなかったしな・・・だから半ば自分が消え去ることについては諦めるような形で受け入れてたんだよ。ただ幽々子達に圧される形でこんな形になったけどな」
「・・・そう聞くと、本当に貴方は幽々子という方に好かれているのですね。そこまで想われているとは・・・」
「一時期はなんで俺なんかにって思ったよ。幽々子って掴み所がないし、あんまり本音らしい本音を言っちゃくれないしな。でも・・・そんな言葉は無くても幽々子が俺を想ってくれてるっていう風に、今なら俺も思える。だからこっちの俺と折り合いをつけることが出来たなら、こっちの俺の事もちゃんとした形で決着をつけた上で幽々子の元に帰りたいって思うんだ」
「・・・そういうことですか。なら私も張り切らなければなりませんね、心置きなく貴方に幻想郷に戻ってもらう為にも」
・・・そうしてルークの口から語られる幽々子やその周囲とのやり取りに想いの濃密さが垣間見える言葉と柔らかな笑みに、ジェイドもまた柔らかな笑みで返す。確かな想いを幽々子に抱くルークの姿に、元からルークの助けになりたいと思っていたジェイド自身も気持ちを揺り動かされる形で。
「・・・取り敢えず戻ろうか。そろそろ時間的に休憩もいいかってなる頃だろうし、あんまり遅いと何の話をしてたのかって言われそうだし、何よりここから先はあんまり他の事を考えてると良くないことになりかねないからさ」
「そうですね・・・我々が離れていた理由に関しては戻る最中に打ち合わせしましょうか」
そこからルークは今までの空気を変えるようにティア達のいる方へ戻ろうと真剣に切り出し、ジェイドもすぐに頷き二人は歩を進める。前の時と同じく自分達の様々な事柄の分岐点とも呼べる土地である、アクゼリュスへと向かうために・・・









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