行くべき先と決める決意

「それで、以降の経過はどうですか?」
「取りあえず問題はないさ。まぁ重体の患者に関しては私らの所で療養って形で引き受けているから、その分の療養費は後で請求させてもらうよ」
「その分は構いませんが、貴女方が何故重体の患者を引き取るという流れになったのですか?」
「アクゼリュスの住民全てを引き受けるにはマルクト側にちょっと色々と制限が多かったから、重体な患者はこっちで頼むって言われたのさ・・・何せキムラスカやダアトにはバレないようにしなきゃならないんだから、あまり表向きにはアクゼリュスの人達が場を離れているって明らかにしないようにするための処置さ」
「あぁ、各地に点在している教団員の目を気にしてということで人を分散させるためですか」
それでジェイドとノワールの二人は会話を続けてアクゼリュスの住民の行方について情報を交換しあうのだが、その中身に少しルークは安堵したような雰囲気を浮かべる・・・以前の事があるために、アクゼリュスの住民達が巻き込まれないで済むことに。
「ただどうするんだい?大佐の話だとアクゼリュスがホドのようになれば戦争になるって話だけれど、それを止める手だてはあるのかい?」
「一先ずは。ただそれはあくまでも先送りの為の一時しのぎの一手にしか過ぎませんので、取りあえず貴女方は事態が落ち着くまではこのケセドニアにて待機しておいてください。一応貴女方には手を貸していただきましたしこれからも何回か手を貸していただく予定ではありますが、その時の展開によって貴女方にどういったような形で協力していただくかを決めますので」
「・・・まぁそういうことなら仕方無いね。ただ出来ることがあるなら遠慮なく言いなよ。こっちとしても戦争が起きるなんてことは望んじゃいないんだからさ」
ただそこでノワールが具体的な解決手段を聞くが以降の事を含めて具体的にはまだ言えないとジェイドが返すと、仕方無いと言いつつ素直でいて協力的な態度を見せる。
「・・・ジェイドから話には聞いてたけど、随分と協力的なんだな。話に聞くと、義賊ってんだからもうちょい疑うとか思ってたんだけど・・・」
「その辺りは神託の盾の中に内通者がいたからさ・・・と言ってもこれは言っていいのかね・・・」
「構わねぇよ、言ってくれ」
「・・・その内通者は誰かって言ったら鮮血のアッシュだけど、あんたに瓜二つだったのさ。双子かって思うくらいにね」
「・・・アッシュの見た目については聞いてるし、知ってるよ。まぁアッシュが内通者だって事まではだったけどな・・・」
「あらぁ?そうだったのかい・・・」
そんな中でノワール達のやたらと協力的な姿勢にルークが疑問を向けると少し遠慮したようにアッシュの事を切り出すが、一応姿形のことは知っているといった返しに首を傾げる。






・・・このルークの返しについてはこの店に入る前にジェイドに言われたことを自身なりにちゃんとこなしている為だ。アッシュが向こうにいる以上はアッシュなりにこちらをサポートしてくるだろう可能性を考慮し、アッシュとは繋がってるのはおかしいとは言っても姿形くらいは知っているといったように振る舞った方がノワール達も以降にやりやすいだろうと。

故にルークはノワール達の聞き分けの良さを疑問に思ったのもあるが、今のような返しをしたのだ。以降の流れをうまく進めるために。









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