道のりは険しく時間は限られている

(だからそういったことからアニスに関しては触れないようにしようってなったらしいんだ。まぁ何て言うかその時にはもうジェイド達は立場もそうだけど歳もあってアニスやティア達とも簡単に会いにくい状況になっていって、ティア達に顔を合わせないようにするのもあって五年は会ってなかったらしいけど・・・そういった事だからアニスはティア達とは違うとは言っても、両親を始めとしたことがあるし俺を手助け出来るような状態にあるだろうし酷な時間を過ごすだろうからもういいだろうって)
(『そういうことだったのか・・・』)
そうしてこれが理由だとまとめあげたルークの言葉に、『ルーク』も複雑さを盛大に滲ませた声を漏らすしかなかった。改めて聞くと本当にアニスの歩んできた道にその立場が難に満ちていたことに。
(・・・ジェイド達はこうも言ってた。アニスは両親に関わらずに生きていれば、あるいは普通に生きれてたんじゃないかって。でもそんな風にするには両親と完全に縁を断ち切って遠いところで生きるか、もしくは二人が早い内にアニスからして仕方無いって風に諦めがつく形で亡くなるか・・・その二つくらいしか無いって言われたよ)
(『・・・まぁ言いてーことは分かる。確かにアニスの立場からしたらそれくらいじゃないとキツいだろうってことは。ただアニスはなんだかんだで二人を見捨てられなかったってことから、離れて暮らすってのはイメージが湧かないんだけど・・・』)
(俺もそう思うけど、だからって二人が死ぬのが正解だなんて言いたくはないっていう気持ちがあるんだよな・・・確かに根本的な所で二人が変わることがなかったことはどうかとは思うけど、だからって死んだ方が早いって言うのは流石に酷すぎるし・・・)
(『だよなぁ・・・って言ってもアニスの立場的にどうにもならないのもまた目に見えてるし・・・どうすりゃいいんだか・・・』)
それで更に二人はタトリン夫妻に関する話題をしていくのだが、流石にアニスの為とはいえ死んでもらった方が解決手段として最適だとは言えないと共に苦い声を漏らす。
(・・・この辺りに関しちゃもう少し時間が経ってアッシュと合流してから話をした俺達で話をした方がいいな。俺らだけじゃどうにもならないしな)
(『そうした方がいいだろうけど・・・本当にうまくいくのかな、これから・・・』)
(自信はねぇけど、やるしないんだよな・・・)
ルークはもう後でそれからの事を考えようと力なく言い、『ルーク』の不安げな声に同じような声で返すしかなかった。どうにかうまくいかせることが出来るか、アニスの話で色々と自信が無くなる形で。


















・・・そうしてルーク達が頭の中で話をしている中でケセドニアまで辿り着いた。






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