道のりは険しく時間は限られている

・・・そうして少し待つとタルタロスは移動をし、雨も止んだ所で一行は先に進むことになった。






(『ん~、アッシュとの表向きの初対面を済ませることは出来なかったけどどうなると思う?』)
(そんなに悲観する程じゃないとは思うぞ。むしろあんまり前に会った時のようにしたらいい状態でアッシュと会いにくい状態になるし)
(『会いにくい?』)
(前のようにってやると、俺の事を屑や劣化レプリカって言って会う度会う度不機嫌さが酷い状態で言ってくる状態になるんだよ。でも今のアッシュはそんなことするつもりはないだろうし、変な感じで演技させるのもどうかって思ってジェイドも止めたんだろうしさ)
(『あ、そういう事からジェイドはさっき止めたのか』)
そうしてケセドニアに向けて歩みを進める一行の中、ルークは『ルーク』との会話で時間を過ごす。先程の事についての話で。
(『ただそれでさっきのティアについて今ナタリアはジェイドに話を聞いてるけど・・・ここからじゃよく聞こえないな・・・』)
(というかティアに聞こえないように言ってるんだろ・・・それがティアに配慮しての物じゃないのは確定にしても、どういった中身なのかはちょっとな・・・)
そして次に話は現在最後尾で話をしているナタリアとジェイドについてにになるのだが、先頭を歩いているルークとは距離が大分離れている為に話の中身が聞こえないとなんとも言いがたそうに漏らす。
(それより問題なのはそこからのナタリアのリアクションに、ティアに対してどう言うのかになるんだよな・・・ナタリアの性格上ありのままを聞いたら、衝突は避けられない感じになりそうだし・・・)
(『だろうな・・・つってもジェイドもそんな風にはしないと思うけどよ。これからの事を思うと、ティアと衝突をしてもあんまりいいことはないだろうし』)
(まぁ俺もそうだろうとは思うけど・・・やっぱどう取り繕ってもナタリアがティアに悪印象を受けやすくなるから、衝突が起きる事はやっぱりな・・・)
そうして二人の会話がどうあれ、ナタリアの事が面倒だと二人はその性格から考える。ティアの行動と性格を批難してくるだろう可能性が高いと。


















・・・しかしそうしてルークが何か起きるかと警戒をしていたのだが、道中で何か起きる事はなくオアシスまで辿り着いた。それで体力の消耗の事を考え、しばらくの休憩と言う流れになった。



「・・・なぁ、ジェイド。ちょっといいか?」
「なんですか・・・と言いたいところですが、言いたいことはナタリアにどのような話をしたかではありませんか?」
「あ~・・・その通りだよ」
そうして各自休憩となっていた所に一人でいたジェイドの元にルークが近付き声をかけると、用件は分かっているとばかりにナタリアの事を微笑で口にする姿に間違いではないと頭をかきながら頷く。
「簡単な話として、事実を事実として伝えはしましたがここで彼女と揉め事を起こしても貴女の立場が良くなる訳でもないし、ならとティアの代わりに行ってくれと言われるわけでもない・・・だから言いたいことはあるかもしれないけれど、付いてきたいなら直接何かなければ何も言わないようにとだけ言ったんです」
「・・・それで完全に納得したのか?」
「いえ、反論はしてきましたがそこはちゃんと黙っておくようにと説得させてはいただきましたよ。まぁ素直にすぐに、と言うわけではありませんでしたがね」
「・・・ってことは、あまりナタリアも心から納得はしてないってことか」
そうしてナタリアについてどうなったのかについてをジェイドから聞いていくのだが、ルークはちゃんと納得して黙っている訳ではないと察する。衝突が起こらないようにジェイドが中身はともかく、間に合わせの話をしたのだと。









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