移ろう気持ちに関係

「・・・ジェイドも俺に賛成したが、お前はどうだガイ?お前が嫌ならどうするか考えるぞ」
「・・・ルーク様の考えに従いますが、個人的な気持ちを申し上げるならティア=グランツの思う通りになるのは気に入りません。その考えに同意したいと思います」
「っ・・・!」
ルークはその上でガイにも確認を取ると今までにないように感情を見せるように答えを返し、その中身にティアは唖然とした様子を浮かべる。そんな答えが返ってくると思わなかったというように。
「・・・ティアよ、ここは三人の言う通りにするのだ。流石に私も今の発言は擁護出来ぬし、それでもと言うのであればそれこそ三人の気持ちは晴れぬことだろう。ここは大人しく三人に付いていくのだ・・・囮の役目の中で命を落とすことも無いわけではないから、三人の方に付いていくのがまだ安全であろうからな」
「ぅっ・・・・・・分かったわ、三人に付いていくわ・・・」
そしてヴァンももう抵抗のしようがないと付いていくように言うと、葛藤こそは浮かべつつも最終的に力なく頷いた。最早このことではヴァンさえ味方ではないというのが流石に分かったとばかりに。
「・・・では謡将が一人で囮になると決まった所で早速と言いたいのですが謡将・・・ティアにもう少し素直にと言うか、人に対して思いやりであったり相手の気持ちを考えるようにと言ってもらえませんか?貴殿方が仲が良いというのは今までの話に様子からよく分かってはいますが、今のやり取りを見て彼女になんら問題がないと判断するのは我々から言われたくないかとは思うでしょうが、流石に貴方としても妹さんのこれからを考えれば決して安穏と出来ることではないと思いますよ」
「っ・・・それは・・・」
「に、兄さん・・・」
そうしてジェイドが出発・・・とする前にヴァンにちゃんと妹へ注意をするように言うと、流石に今までの事があるために苦心した様子を浮かべる中でその姿にティアが衝撃を受けたような表情を見せる。兄が自分のことでこんな表情を見たことに。
(『・・・兄がこんな様子になるって思ってなかったってのもそうだけど、自分がそんなに問題な行動を起こしたのかってのもあるのかな・・・こいつの中に・・・』)
(そうであってほしいんだけどな・・・そうじゃないならこれからの旅って言うか、アクゼリュス以降はマジで無理矢理嫌がられてでも連れていかないと行けなくなるだろうし・・・)
「・・・ティアよ、三人がいかにお前の発言に怒りを覚えたかはわかる筈だ。自分の気持ちを強く持つのは大事だという考えがあるのは分かるが、そこには相手というものが存在している・・・三人との旅でもそうだが、今後は相手の気持ちに考えはどうなのかを考えてから発言に行動をするようにするのだ。今回はこのような形で終わったが、以降も同じように注意だけで終わるとは保証は出来ないからな」
「・・・分かったわ、これからそうする・・・」
(『・・・大丈夫なのか、これ・・・?』)
(・・・一先ずはこれで妥協するしかないだろ。師匠の言葉を言葉だけで終わらせるかどうかはこれからのティア次第でしかないからな・・・)
(『言葉だけで終わらせてほしくはねーけどな、これからの事を考えるとよ・・・』)
ルーク達はその様子についてを内心で話していって兄からの言葉に何とも言いがたそうにティアは頷くが、そこを突っ込んでも意味はないだろうと答えると『ルーク』は切実な声を漏らす。ティアがこれからの為にもちゃんとした意味で変わってほしいと。









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