移ろう気持ちに関係

「ルーク!貴方も何とか言ってくださいまし!」
「んなこと言われたって俺がお前を連れていくから叔父上お願いしますで叔父上が連れていくのを許可なんてするわけねーだろ」
「うむ、ルークの言う通りだ。もしルークがそう言ってきたとしてもわしが許可など出すはずもない。諦めよ、ナタリア」
「くぅぅっ・・・!」
次にナタリアはルークにどうにかするように必死な顔を向けて言ってくるが、とりつくしまもなく否定を返すとインゴベルトも同意をしたことに悔しげに声を漏らす。
「・・・ではちょうどよいのもあるからルークよ、カーティス大佐と共に城の前に迎え。もう必要な話は終わったからそこにいるであろうガイと合流し、グランツ兄妹達が来るまで待機していよ」
「はい、では失礼します」
そんな恨みがましい様子を誤魔化すよう話をインゴベルトは進め、ルークはすんなりと了承してジェイドとともに頭を下げてから謁見の間を退出していく。






「・・・なぁ、ナタリア来ると思うか?」
「十中八九来るでしょうね。まぁどういったタイミングになるかはともかくとしても、確実に彼女は来ますよ」
「やっぱそう思うよな・・・」
そうして謁見の間を出た二人は早速とナタリアについてを歩きながら話すが、ルークはジェイドの答えに予想通りと力なく漏らす。
「気持ちは分かりますが彼女が来て断ったとしても、以降も諦めず付きまとってくるのは確定していると見た方がいいでしょう。かといって無理にでも城に帰すには手間もかかる上に納得済みでは帰ってはくれないでしょうからね・・・まぁ後は流れに任せましょう。そろそろ城を出ますからね」
「あぁ・・・(まぁ無理だよな、そりゃナタリアが納得して帰るなんて・・・となりゃやっぱ連れてってどうにかするしかないか・・・)」
ジェイドは一応遠慮した上で話を進め城の入口が近くなったことで話を打ち切るが、やはりと内心でルークは考える。ジェイドも自分と同じくナタリアを止めるのは無理と考えた上で、彼女を連れていくしかないというように。






・・・そうして城の外に出て待機していたガイと合流した二人はティア達が来るまでを待つことにしたのだが・・・
(・・・まぁここはジェイドに任せるか・・・今ここで話をしたところであんまり時間もないし、ここで師匠に邪魔されるとどうなるか分からなくなるからな)
・・・少し離れた所でジェイドがガイと話をしている様子を見て、まぁ仕方無いとルークは考える。今は自分の場合ではないと。
(ただそうなると問題というか、以前のように神託の盾が海を封鎖してくることか・・・まぁ師匠がここで離れてくれる分にはいいけど、ティアがそっちに行きたいって言い出す可能性があるんだよな・・・囮が必要なら一人だけじゃなくて私もいればいいじゃないって最もらしい事を言って、師匠と一緒にいる時間を増やしたいって分かりやすい本音の方を隠す形でな)
それでルークは考えをさっき伝令により伝えられた神託の盾の船についてを移行させ、ティアがここで離れる事を懸念する。
(『ここが何か分岐点な感じはするな・・・多分ティアを一緒に行かせるとマジで危ない気がするぞ・・・』)
(あぁ・・・取りあえずここでそうなるのをどうにか止めないとな・・・!)
『ルーク』もまた同様にここで止めるようにしないとと言い、ルークは強く決意する。そんなことにはさせないと。






・・・そうしてルークが考え事をしていて少し時間が経って、ティアとヴァンの二人が城の中から現れた。









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