移ろう気持ちに関係

「そなたがタタル渓谷に飛ばされてからどのような旅をしてきたかに、妹の方と険悪な状況がどれだけ続いていたのかについてはある程度聞いてはいる。そしてそんな態度もあるが、ファブレでの一件はヴァンとの共謀から起こしたことではないかという話になった。ただ妹の方はそんなつもりはなかったにあくまで個人的な事だから言うつもりはないの一点張りで、ヴァンの方も誤解だという言葉に身に覚えがないという言葉で返してきている・・・その事からどう二人についてを決めるべきかと話をする中で、二人にもそなたと共にアクゼリュスに行って行動をしてもらうことで潔白を証明してもらおうとの考えになったのだ。本当に良からぬ考えを持っていないなら、そして申し訳無い気持ちがあるならアクゼリュスでの活動で証明して見せろということでな」
「そうなんですか・・・(嘘っぽいとかじゃなく、嘘だなもうこれ・・・少なくてもティアにそんな風な話をしてないって言うか、潔白の証明みたいな話し方はしてないと思う)」
(『あ~、体よくティアと一緒に行かせる為の方便ってヤツか。そして当人にはモースから口にされた言葉をあのオッサンが都合のいいように言い換えて伝えられたから、多分とかそんなんじゃなく気分も態度も変えては来ないんだろうな。あくまで上から命令されたから付いていくだけで、お前らになんか気を許せる筈がないってな』)
(だろうと思うよ、本当に・・・)
インゴベルトはそこから威厳を持たせて二人を共に行かせる理由についてを語っていき、表向き頷く中でルーク達は内心で考える。確実にこういった風に話をティアにはされてないと予感して脱力感を感じながら。
「故にそなたにはグランツ兄妹達とも共にアクゼリュスに向かってもらう。一応は道中は自重するようにとは後で合流させる前にモースからも注意はさせてはおくが、我慢して二人とも同道をしてもらう」
「・・・それはいいんですが、後で合流させるとは・・・」
「この後城の前にて待機していればそちらに二人が来るようにするようにしてある。少し時間はかかるだろうが、二人にモースが話をする際にそなたがいても余計な時間がかかるだけだろうと見てな」
「そういうことですか(やっぱ一緒に付いていかせる事が出来ればそれでいいってくらいにしか考えてなさそうだな。多分俺の気分を損ねるなとかそんな話はモースはするだろうけど、ティアが聞くとはとても思えないけどな~・・・)」
(『それこそ一緒に行ければそれでいいくらいになればいいってくらいにモースは考えるんじゃねーのか?前もアクゼリュスに第七譜石があるかもしれないから秘密で探してこいみたいに言って送り出したようなものらしいし、最低限アクゼリュスが崩落するまで一緒にいれるようにすりゃそれでいいってな』)
(だろうなぁ・・・)
インゴベルトは更に二人と行ってもらうことを強調した上で出発前にモースにも話をさせると言い、ルークは表向きに声を漏らす中でその時どうなるかを内心で『ルーク』と話して気持ちが落ち込んでくる。明らかにティアに問題があり、これから大丈夫だと思えるだとかティアはちゃんとやってくれると信じられるような材料がないことに。
「お父様、やはり私も一緒に・・・」
「それはならぬと昨日も申したはずだ」
(あぁ、ナタリア・・・まぁそこまで変わってないんだしそりゃ自分もって言うよな、ナタリアなら・・・)
そんな時にナタリアが自分も行くと前のように切り出してインゴベルトに否定される姿に、内心でルークはだろうなと考える。それはそうなるだろうと。









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