移ろう気持ちに関係

(『・・・予想通りっちゃ予想通りだけど、やっぱガイは残ったか。身の程を知っていると言えばそれまでって言いたいけど・・・やっぱ釈然としない気持ちになるな・・・』)
(気持ちは分かるよ・・・と言うかバチカルを出る前か後か、ちょっとガイと話してみようかな・・・)
(『え?ガイと?いきなりどうしたんだよ?』)
そんな二人と別れて城に向かう中で『ルーク』のらしいという声に、いきなりルークが話をすることを考えると言い出したことに疑問を向ける。
(いやまぁ、今まで向こうの雰囲気もあってろくに会話もしてこなかったけどさ・・・ジェイドに任せるだけじゃなく自分でも会話してみないといけないって思ったんだよ。心を俺らに開くかどうかは別にしても、ガイの気持ちくらいは把握しときたいなって)
(『まぁ気持ちは分からねぇでもねぇけど、あいつの事情とかあの姿を見てるとそう簡単に話をしてくれるとも思えねぇけどな~・・・』)
(それは確かだけど、どうなるにしても俺の中で踏ん切りをつけたいからってのもあるんだ。師匠の事に関してはもう踏ん切りをつけてはいるけれど、まだティアやガイについては踏ん切りは完全についちゃいない・・・二人は俺と話したくないって空気を出してるし今までもそれで話をするような空気じゃなかったから何もしてこなかったけど、これからアクゼリュスの事を併せて考えるともうほとんど会話をする時間もないからさ)
(『・・・だから早目に話をして、どうするかの踏ん切りをつけたいってことか』)
(あぁ・・・ジェイドの考えもあるから一概にどうなるかはまだ分からないけど、アクゼリュスで師匠を倒すってなったら多分もう後戻りって言うか仲をどうにかなんて簡単に出来るもんじゃない・・・ティアはジェイドとの話にあったように無理矢理連れていくにしても、ガイはそれこそ最悪殺さなきゃならない事態になるかもしれないしな・・・)
(『っ・・・殺さなきゃならない、か・・・』)
そうして話をしたいと言い出した理由についてを話すルークだが、その中でガイを殺す覚悟を苦く滲ませる言葉を漏らすと『ルーク』もたまらず苦い気持ちになる・・・敵となるなら余程でなければガイを殺さないと後々の禍根になりかねないと、どちらも分かっている為に。
(だから一度でいいから確かめたいんだ・・・もう駄目なら駄目って諦めることも出来るからさ・・・)
(『・・・今の体の主導権を握ってるのはお前だから俺は別に反対するつもりはねぇ。ただ・・・祈ってはおくよ。ガイとちゃんと話が出来るってことをな・・・』)
だからこそ敢えて話がしたい・・・そう悲壮な決意と共にそう言うルークに、『ルーク』も複雑そうながら反対はしなかった。ガイとどういう風に話をすれば成功なのか、はたまたその場で殺しあいになるのか・・・大袈裟ではなくハッキリとどうなるか分からない案件に敢えて状況の打開に挑むルークを止められる筈もないと・・・


















・・・それで城に入って謁見の間に向かったルーク達だったが、特にこの辺りは前と変わった所もなく精々ティアがいたかいないかの違いしかなかった為にルークもジェイドも前のように振る舞い、一先ずはインゴベルト達との話を終えて城の外へと出た。









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