移ろう気持ちに関係

「まぁそれを言うならナタリアとアニスとイオン様以外の我々は死んでもらうべく送り出された身ですし、ガイはアクゼリュスに着くまでの見捨ててもいい護衛として派遣されたと言ったくらいでしょうが・・・今となって考えればティアに関しては、間違いなく実績からモースに見捨てられる形を取られたと考えられますから」
「・・・それは・・・元の方のティアは考えたことはあるのかな・・・?」
「まずないと思いますよ。彼女はファブレに謝ったことでそれが全て終わったと思っているでしょうし、何より彼女の中ではラジエイトゲートでのモースの最期でモースの事は辛い思い出になってそれ以上の事は考えられないようになっていたと思われますからね・・・ただこちらのティアに関しての唯一の救いになるかもしれない部分は、モースの事を然程敬愛してなさそうな所でしょうね」
「あぁ・・・イオンへの態度に起こしたことを考えると、確かにそれっぽくはあるか・・・」
そんな元の方のティアの事についてを話していった後、こちらのティアの可能性についてを告げるジェイドに確かにとルークも重い表情を見せながら納得する。誉められた事とは言えないが、モースへの気持ちがないならショックは少ないだろうと。
「まぁそれはともかくとして神託の盾に居続けたとしても、ティアが上の立場に立てるとはとても思えませんね。我々のいた方のティアもそうでしたが、こちらの彼女なら尚更でしょう」
「え?それってどういうことなんだ?元々の方のティアも上の立場に行けなかったって・・・」
しかしそこで元々のティアもについても含めての話をするジェイドに、どういうことかとルークは眉を寄せる・・・ヴァンを倒して英雄という立場になったティアなら、実力もそうだがその名目を利用する政治的な思惑もあって上の立場に立てるのではないかと幻想郷で学んだ知識から考えて。
「単純な話として、ティアに上に立てる人間としての素養が無かったんですよ。彼女は人を導けるタイプの人間ではなく、使われてこそ力を発揮出来る人間だったということです」
「使われてこそって・・・」
「知識量だったり立場的に色々と教えてきてもらった貴方は然程ピンと来ていないかもしれませんが、彼女がそれ以外の人に対して上の立場として誰かを導くだとか教えるだとかをやっていたのを見たことはないでしょう?」
「まぁそれは・・・」
「それは彼女が活動する中で上の立場に立つ為の教育を受けていなかったことに加えて、そういった立場に立とうという自覚もなかったことにあるんです。謡将は元々から自分の目的を持っていて努力をしてきて実力にあの立場を手に入れたのでしょうが、ティアはそんな謡将を支えたいだったり近くにいたいという思いから自分が上に立つ為の努力をしようとしていなかったと私は思っています。勿論最初の内は謡将を倒した後の世界をちゃんとしたいと思って上に立つ者になろうという自覚はあったのだろうとは思いますが、アニスに話を聞いてきた限りではうまくいかないと言った話をよくされたと言っていました。そして私はその中身からティアが努力をしていないこともそうですが、そもそもティアにそんな素養が無かったと私は思ったんですよ。彼女は元々感情的になりやすい部分もあったことから、個人ならともかくとしても大多数の人をまとめて冷静に務めるのは荷が重いと」
「あ~・・・確かにティアがそんなことをやってる姿なんて想像出来ないな、そう言われると・・・」
そこからジェイドはいかにティアが人をまとめることに向いてないかの考えと根拠についてを語っていき、その膨大な中身にルークも納得出来る部分があった為に頷く形に自然となってしまった。特に人を指導する姿が想像出来ないと。









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