焔の存在を幻想にさせぬ為に
「では何を我々に求めているのですか?我々にただルークがこういう形で生きているなどと言いに来ただけではないでしょうし、協力というからにはまた別の話なのでしょう」
「その通りですわ。私が協力してほしいというのは、ルークの肉体を手に入れていただく為の手伝いをしてほしいのです」
「肉体?・・・ルークはその幻想郷という場所で肉体を得たのではないのですか?」
ジェイドはそこで紫にただ話をしに来た訳ではないのだろうと本題を確認すると、ルークの肉体を得る手伝いと聞き怪訝な表情を浮かべる。そう言うことなら必要ないのではないかと。
「えぇ、確かに彼は肉体を得ましたわ。けれどそれはあくまでも幻想になって幻想郷に入ったからこそではありますが、元々は実体はおろか魂すらも存在しないまま幻想となった存在・・・現に彼は時折幻想郷においてもその肉体が安定せず、体の一部が透けてしまう時があったと報告を受けました」
「報告?」
「彼は私の元で生活しているわけではありません。それにこうして私が活動しているのも、私がそうしたいと考えての事ではなく彼を受け入れてくれている人物の頼みからです」
「・・・それはつまり、元々貴女にルークを助けるつもりはなかったと言うことですか?」
紫はそんな疑問に肉体は完全でないとしつつそもそも頼まれたからと平然と言う様子に、ジェイドは少し険を滲ませながらその意についてを問う。
「そんな怖い顔をされないでくださいませんか?確かに私は自分から行動をした訳ではありませんが、私はあくまでも頼まれた側ですし彼自身も私に無理をしないでいいと言ってくれたのですよ」
「何?どういうことだ?」
「これから話すことが協力していただきたいことの中身の本題なのですが、彼はそこまでして自分の為に動いてくれないでいいと言ったんです。自分が消えるのは嫌だけれども、例え自分がルークの存在が幻想になった存在でもやってきたことを考えれば、それを受け入れることを覚悟した方がいいんじゃないかと私を気遣う形で」
「・・・らしいと言えばらしい事を言うな。確かにルークならそう言うだろう」
「えぇ。ですがそう言うように言われてしまえば私もルークを簡単に見捨てるような真似をするわけにはいきませんし、元々私に彼を助けてほしいと言ってきた彼女の望みに反する事になりますもの。ですからこうして私も動いているのです」
「成程・・・過程はどうあれ、今の貴女はルークを助けると言う気持ちがあることに偽りはないということですか」
「えぇ、理解していただいて嬉しいですわ」
紫は言葉面だけは批難気味に返すものの頼んだ人物との義理にルークの言葉もあって動いていると言い、アッシュとジェイドの二人から理解したとの声に笑みを浮かべる。普段幻想郷の彼女をよく知る者から言わせれば、胡散臭いと言われる笑みを。
「それでその中身の本題とやらだが、その肉体をどうやって手に入れると言うんだ?フォミクリーを用いて俺の身から身体情報を抜き出し、新たなレプリカの体を造ると言うのはもう無理なんだろう?」
「えぇ。この30年で音素に頼らない技術が発達してきた上に、もう音素を用いねば動かない譜業はアンティークの観賞用程度しか役に立ちませんし動きもしません。そして例えフォミクリー装置が十全に動いたとしても完全同位体を造れる可能性は極めて低く、下手をすれば完全同位体を造る以前にアッシュの命が失われかねません・・・それは貴女も分かっているはずですから、また別の手段なのでしょう?」
「えぇ、その通りですわ」
しかしアッシュがフォミクリー技術を使うことは無理だろうとジェイドに聞くと、万全の状態でも可能性は低いと言った上で紫に対策があるかと聞けば平然と是と返ってきた。ハナからフォミクリーを使うつもりはなかったというよう。
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「その通りですわ。私が協力してほしいというのは、ルークの肉体を手に入れていただく為の手伝いをしてほしいのです」
「肉体?・・・ルークはその幻想郷という場所で肉体を得たのではないのですか?」
ジェイドはそこで紫にただ話をしに来た訳ではないのだろうと本題を確認すると、ルークの肉体を得る手伝いと聞き怪訝な表情を浮かべる。そう言うことなら必要ないのではないかと。
「えぇ、確かに彼は肉体を得ましたわ。けれどそれはあくまでも幻想になって幻想郷に入ったからこそではありますが、元々は実体はおろか魂すらも存在しないまま幻想となった存在・・・現に彼は時折幻想郷においてもその肉体が安定せず、体の一部が透けてしまう時があったと報告を受けました」
「報告?」
「彼は私の元で生活しているわけではありません。それにこうして私が活動しているのも、私がそうしたいと考えての事ではなく彼を受け入れてくれている人物の頼みからです」
「・・・それはつまり、元々貴女にルークを助けるつもりはなかったと言うことですか?」
紫はそんな疑問に肉体は完全でないとしつつそもそも頼まれたからと平然と言う様子に、ジェイドは少し険を滲ませながらその意についてを問う。
「そんな怖い顔をされないでくださいませんか?確かに私は自分から行動をした訳ではありませんが、私はあくまでも頼まれた側ですし彼自身も私に無理をしないでいいと言ってくれたのですよ」
「何?どういうことだ?」
「これから話すことが協力していただきたいことの中身の本題なのですが、彼はそこまでして自分の為に動いてくれないでいいと言ったんです。自分が消えるのは嫌だけれども、例え自分がルークの存在が幻想になった存在でもやってきたことを考えれば、それを受け入れることを覚悟した方がいいんじゃないかと私を気遣う形で」
「・・・らしいと言えばらしい事を言うな。確かにルークならそう言うだろう」
「えぇ。ですがそう言うように言われてしまえば私もルークを簡単に見捨てるような真似をするわけにはいきませんし、元々私に彼を助けてほしいと言ってきた彼女の望みに反する事になりますもの。ですからこうして私も動いているのです」
「成程・・・過程はどうあれ、今の貴女はルークを助けると言う気持ちがあることに偽りはないということですか」
「えぇ、理解していただいて嬉しいですわ」
紫は言葉面だけは批難気味に返すものの頼んだ人物との義理にルークの言葉もあって動いていると言い、アッシュとジェイドの二人から理解したとの声に笑みを浮かべる。普段幻想郷の彼女をよく知る者から言わせれば、胡散臭いと言われる笑みを。
「それでその中身の本題とやらだが、その肉体をどうやって手に入れると言うんだ?フォミクリーを用いて俺の身から身体情報を抜き出し、新たなレプリカの体を造ると言うのはもう無理なんだろう?」
「えぇ。この30年で音素に頼らない技術が発達してきた上に、もう音素を用いねば動かない譜業はアンティークの観賞用程度しか役に立ちませんし動きもしません。そして例えフォミクリー装置が十全に動いたとしても完全同位体を造れる可能性は極めて低く、下手をすれば完全同位体を造る以前にアッシュの命が失われかねません・・・それは貴女も分かっているはずですから、また別の手段なのでしょう?」
「えぇ、その通りですわ」
しかしアッシュがフォミクリー技術を使うことは無理だろうとジェイドに聞くと、万全の状態でも可能性は低いと言った上で紫に対策があるかと聞けば平然と是と返ってきた。ハナからフォミクリーを使うつもりはなかったというよう。
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