女忍、舵取りに苦労する

「・・・それで、どうしますかくのいち殿?アッシュに関しては確かに気になりますが、あまり時間をかけていられないのは我々も貴女方もだと思うのですが・・・」
「・・・う~ん、仕方無いしリグレットはシンクも呼び戻してさっさと出発するように言ってくれない?流石に他の六神将が痺れを切らしたなら、アッシュもルーク達が来ないならそれ以上何も言えないだろうし待つのに飽きるだろうし」
「・・・それで通しますか。他の面々もこれ以上待てないと言っていたなら、アッシュも流石に仕方無いと話を聞かざるを得ないでしょう」
その中でリグレットが様子を見ながら伺いを立ててきたことにくのいちは仕方無いと考えを打ち切り、事態を先へ進ませるように言い渡す。
「んじゃ他に何かない?ないならそろそろ戻らないとルーク達も私の無事とか、色々怪しんできてる頃だろうし・・・」
「そうですね・・・私からは特にはないのですが、ルークに対してのアッシュの行動はやはり気になりますのでアクゼリュスに到着するまでには一度はディストをそちらに内密に派遣致します。ですので近況報告はディストとしていただくようにお願いします」
「うん、分かった。じゃあ今度会う時は多分アクゼリュスだろうけど、それまでよろしくね~」
それで後は何かないかと聞けばディストを使いに出すと返すリグレットに納得し、兵士として敬礼をしながら明るい声色でくのいちは退出する。






「ただいま戻りました~♪」
「おっ、大丈夫だったのか?」
「バッチリでさぁ♪もう少ししたら多分タルタロスも動くと思いやすぜ♪」
・・・それでタルタロスから離れルーク達の元に戻ったくのいちは笑顔で成功と親指を立てる。
「もう少しって・・・あっ、確かに動き出した・・・」
「・・・どうやって神託の盾を動かしたのですか?いかに貴女と言えど、彼らを動かすのは難しいと思うのですが・・・」
「う~ん、実はあっしはほとんど何もしてねぇんです・・・神託の盾の兵士に変装して兵士達に話を聞いてたらあそこで待ってたのはアッシュがちょっと出発したくないってごねてたみたいで、理由は分かんないけどそれを考えるより先に周りの兵士に誰か六神将に出発を促しに言ったらどうだって言ったらあの結果・・・って訳でさぁ」
「アッシュが、ですか?・・・まぁ理由は確かに分かりませんが、そういうことで止まっていて解決したならそれでいいでしょう。詳しく神託の盾から話を聞くにも時間はなかったでしょうからね」
「つーか興味も別にねぇし、早く行こうぜ。タルタロスも発進したんだし、もうそんな気にする必要もねぇんだろうしよ」
「そうだな、そうしよう」
それでタルタロスが動き出したのをルークが確認した後にアッシュについてを話すが、それは別に気にする必要はないとの流れになって一同は先へ進み出す。






「・・・さっき言ってた事ってどれだけ本当の事なんですか?」
「あ、それについては今から説明するね。周りに聞こえないようにね」
それで廃工場を出てバチカルも遠目に見える程度になった位置に来た所でアニスから疑問の声がかかり、ルーク達と離れた位置にいるのを確認してからくのいちは説明をすると小声で話を始める。






「・・・リグレットに会った事以外はそう違いはないんですね。後でディストがこっちに秘密で来るくらいだってくらいで」
「まぁそうなるけど、ちょっとアッシュの思惑が分からないのがやっぱりね~・・・」
「あ~・・・確かにそうですよね・・・」
そして話を終えてアッシュの事を口にするくのいちに、アニスもまた頭を悩ませるように声を上げる。











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