女忍、苦労する

「まぁあっしが後でどう言われるかとか気にせず、さっさと行きやしょうぜ。早くバチカルを出なきゃいけないんですよね?」
「そうだな。んじゃ早く行こうぜ」
そしてくのいちが話題転換と明るく先に行こうと言い、ルークが頷き他の面々も反対することなく天空客車の方へと向かう。









・・・それで天空客車に乗って廃工場に来た一同はガイの説明を受けながら、先を進んでいった。何でもガイの話ではこの廃工場は昔稼働していたとのことだが、時代が進むにつれて次第に使われなくなり放置された場所との事だ。そしてその廃工場はバチカルの外周部に繋がる位置にあることから、予想が正しければ外の部分へ繋がっているだろうという。
(・・・な~んだろうな~。確かに筋は通ってはいるんだけど、やっぱり不自然って言わざるを得ないんだよね~。この結構な用意周到さは・・・)
そんな話を受けてくのいちはやはりと認識は変わらず、ガイの怪しさについてを考える。とても信頼出来る物ではないと。
(どうしよっかな~・・・ここから先の展開としてガイも一応は助けることにはなるんだろうけれど、その後に問題を起こされても困るんだよね~・・・かといって放っておく訳にもいかないし・・・結論を先にしなきゃいけないっていうのはどうもイヤな感じがするな~・・・)
だからこそ対応を取りたいが今は取れないと感じ、くのいちは歯痒い思いを抱く。自身の身は一つしかない為に。
(それにナタリアは多分今回はどうにか出来たけど、もしかするとこっちに来るかもしれないんだよね~・・・来るなら船が使えるようになってから、ケセドニアで合流しようとしてくるだろうけどもうそこまで来たら帰そうとしたって帰らないだろうしな~・・・下手にケセドニアで騒ぎを起こしたら、旦那様の策に影響がある可能性が高いし・・・)
しかし事態はそれだけではないとナタリアの再度の来訪の可能性についてを考え、内心気持ちが落ち込むのを感じる。そうなれば厄介以外の何物でもないと思う為に。
(あ~、もう。焦れったいな~・・・前世でもこれだけの面倒な状況はなかったよ。二人だけじゃなく他にもまた面倒だって思える人物が何人もいるっていうのがな~・・・)
そう思うからこそ、くのいちは周りの状況がより厄介と感じて精神的な疲れを感じる・・・元の世界には似たような立場の忍という存在の有名所に関してを二人覚えているが、くのいちは二人のように何事もないと平静を保つ性質でなかったり反対にそういった混沌を望むような性質でもない為に。
(とりあえず旦那様にリグレット達と合流するまで、私にアニスだけで頑張らないとな・・・頼れる人物って他にいないし、ケセドニアで一応報告の手紙は出しはするけどね・・・)
ただ無い物ねだりは出来ないと、くのいちも分かっている・・・だからこそアニスと協力しはしても、極力自分達で行こうと決めた。問題が山積みだからこそと・・・








next story









19/20ページ
スキ