女忍、苦労する

(ん~・・・やっぱティアのこの感じ、戦う腕は百歩譲って及第点をあげてもいいけど一兵士としては落第点だな~。特に将軍って言うかとにかく上の立場にならせちゃいけない人物でしかないな~。今のイオンの話を聞いて即座に自分にモースが任せた任務について忘れたかのような反応を示した事から、似たような事が起きたらそっちが優先だって平気で任せられた事を後回しにするのは目に見えてるし)
そんな一連の流れが終わり下の階層に向かう中でくのいちはティアに対する評価を新たに心の中で漏らす。とても兵士としてまともな評価はあげられる物ではないと。
(まぁそこは置いておいて、ガイに関してだけど・・・正直、怪しいな~。私としてはバチカルを出るのは神託の盾が撤退してからでもって風に安全策を提案するつもりだったんだけど、確証はないみたいな風には言っても旧工場跡から出られることをある程度確信してる感じに言ったのがな~・・・そんな行ったことがない場所の事を何でそこまで知ってるのか・・・)
そんな考えを気楽に横に置くようにして次のガイへと考えを移すくのいちだが、ティアの時とは一転して心中の声であるのに鋭さと暗さを滲ませる。



・・・人という物は興味や関心がない話に関して、特に記憶に残すような存在ではない。どうでもいいような事などそこに存在していたとて、そこにあるといった程度の認識にしかならないだろう。

だがガイはそんな行ったことがない場所に関する知識があるように見受けられる。それもハズレはそうそうないだろうという確信めいた様子でだ。くのいちからすれば行ったことがない場所に関しては詳しすぎる、という風にしか思えなかった。だが・・・



(・・・でもその事を追求しても、たまたま知っていたで済まされるのが目に見える範囲なんなんだよなぁ・・・バチカルに住んでるんだからたまたま誰かに聞いただとか、調べる機会があったとか言われたらそこまでだし・・・何かガイもありそうな感じはするんだけどなぁ。マルクトで私達と合流出来たあの早さってバチカルからすごく急いできたにしても異常なんだよね。あの時ってローテルロー橋が壊れてた時だから、ケセドニア側から歩いて来れる筈はないし・・・)
そこでくのいちはいつも通りといった口調に戻り、何とも出来ないと漏らす。個人的に感じる怪しさもあるが、追求出来ないと。



・・・そう、ガイに何故それを知っているのかと聞いて訳があったとしても誤魔化せる状況にあることだ。くのいちからすればガイは怪しいことこの上ない・・・初対面の時からそうだが、明らかに不審な点がいくつかある。

しかしそれらについてくのいちは口を挟めない。今そう言っても誤魔化せる事もあるがバチカルを急いで出なければならないルーク達をイチイチ止める事は立場としてあまりよろしくないために。



(・・・ん~、後々ガイについて調べた方がいいかな~。まだ今の状況じゃいいかもしれないけれど、後になって面倒なことを起こす可能性も否定出来ないんだよな・・・)
それで追求から考えをガイの調査の方へと移行する。後の禍根になる可能性があると見て・・・それほどにくのいちからして、ガイの怪しさはずば抜けていた。



・・・それで下の階層に来たルーク達はガイの気まぐれからミヤギ道場という所に寄った後、旧工場に繋がるという天空客車の元へ来た。










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