女忍、苦労する
「・・・ねぇアニス、この二年でどうするかって答えは出た?」
「答えって・・・養子縁組のこの関係を続けるかどうか、ですか?」
「うん・・・ちょっと気は早いかもしれないけど旦那様の予想通りの状況になったことから、そう遠くない内には選択の瞬間は訪れると思う・・・アニスもそれは分かるでしょ?」
「・・・はい」
そこからくのいちが真面目な様子で養子縁組の時の話を切り出したことに、アニスも重く頷く・・・その関係を本当の親子にするかどうか、それを決める期限が近いことはアニスも分かっている為に。
「まだ事が成功してない状況で早とちりするべきじゃないんじゃないかって私も思ったけど、両親の事が出てきたからアニスはどう思ってるのか聞きたくなったから聞いて見たんだけど・・・どう?」
「・・・一応、もう私の中では答えは出てます。その事に関して、どうしたいのかって答えは。でもそこに関してはまだどうするかとは言えません・・・そこから先は私だけじゃなくて、相手の事もあるので・・・」
「・・・そう。一先ず決めてるなら私はもうこれ以上何も言わない。でも何か手助けしてほしいことがあったら遠慮なく言ってね、私もだけどこの場に旦那様がいてくれたら力になりたいって思うだろうから」
「はい、そうします」
それを踏まえくのいちが現在の心境を聞くと覚悟は決めているとアニスが固い意志を滲ませるように返したことで、笑顔を見せて手助けすると心から告げる。アニスもそんな姿に一先ず笑顔を浮かべ、くのいちは満足げにうんと一つ頷く。
「よし、じゃあ私はお城の方に向かうからアニスはちょっとどこか人の目のない所で待っててね。もうちょっとしたらいい頃合いになって、ルーク達も出立する時間になるだろうし」
「はい、分かりました」
そして待機するようにアニスに言い、了承の返事をもらってすぐにその場からくのいちは消え去る。
・・・それでアニスと別れ、ただ謁見の間に行くだけというのもどうかと思ったくのいちはモースの様子の確認をする事にした。
「・・・モース様・・・この度は私を牢から出していただき、ありがとうございます・・・」
「・・・分かっているな?本来であればお前を助ける道理などないのだ。それを承知の上でお前には動いてもらう理由がある・・・それは何か分かるか?」
「いえ、分かりませんが・・・」
「お前も導師達と共にこのバチカルに来たのなら聞いているだろう、マルクトの目的はアクゼリュスの救助の為の和平だと・・・本来ならお前にはそのままバチカルで何故ヴァンを襲ったのか、その理由を吐くことも含めて牢から出すことはない予定だった。だが少し事情が変わったのだ」
「・・・その事情、とは?」
「私も確認した訳ではないが、アクゼリュスに第七譜石があるという可能性が浮上してきたのだ」
「っ!?」
(お~、随分とまた大きな物を持ち出してきたっすね大詠師様♪まぁこの娘相手なら変に怒鳴り散らすより、使命感持たせてっていう方が効率的か♪変に反感を持たれると言うことを聞かないまではいかずとも、やたら渋ってしまうのは目に見えてるし♪)
・・・それでモースの部屋に忍び込んだくのいちは部屋に来ていたティアと話をしていたのだが、第七譜石と言われてハッと息を呑むティアの姿に内心で楽し気に声を上げる。確かにティアをその気にさせるにはピッタリな中身だと。
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「答えって・・・養子縁組のこの関係を続けるかどうか、ですか?」
「うん・・・ちょっと気は早いかもしれないけど旦那様の予想通りの状況になったことから、そう遠くない内には選択の瞬間は訪れると思う・・・アニスもそれは分かるでしょ?」
「・・・はい」
そこからくのいちが真面目な様子で養子縁組の時の話を切り出したことに、アニスも重く頷く・・・その関係を本当の親子にするかどうか、それを決める期限が近いことはアニスも分かっている為に。
「まだ事が成功してない状況で早とちりするべきじゃないんじゃないかって私も思ったけど、両親の事が出てきたからアニスはどう思ってるのか聞きたくなったから聞いて見たんだけど・・・どう?」
「・・・一応、もう私の中では答えは出てます。その事に関して、どうしたいのかって答えは。でもそこに関してはまだどうするかとは言えません・・・そこから先は私だけじゃなくて、相手の事もあるので・・・」
「・・・そう。一先ず決めてるなら私はもうこれ以上何も言わない。でも何か手助けしてほしいことがあったら遠慮なく言ってね、私もだけどこの場に旦那様がいてくれたら力になりたいって思うだろうから」
「はい、そうします」
それを踏まえくのいちが現在の心境を聞くと覚悟は決めているとアニスが固い意志を滲ませるように返したことで、笑顔を見せて手助けすると心から告げる。アニスもそんな姿に一先ず笑顔を浮かべ、くのいちは満足げにうんと一つ頷く。
「よし、じゃあ私はお城の方に向かうからアニスはちょっとどこか人の目のない所で待っててね。もうちょっとしたらいい頃合いになって、ルーク達も出立する時間になるだろうし」
「はい、分かりました」
そして待機するようにアニスに言い、了承の返事をもらってすぐにその場からくのいちは消え去る。
・・・それでアニスと別れ、ただ謁見の間に行くだけというのもどうかと思ったくのいちはモースの様子の確認をする事にした。
「・・・モース様・・・この度は私を牢から出していただき、ありがとうございます・・・」
「・・・分かっているな?本来であればお前を助ける道理などないのだ。それを承知の上でお前には動いてもらう理由がある・・・それは何か分かるか?」
「いえ、分かりませんが・・・」
「お前も導師達と共にこのバチカルに来たのなら聞いているだろう、マルクトの目的はアクゼリュスの救助の為の和平だと・・・本来ならお前にはそのままバチカルで何故ヴァンを襲ったのか、その理由を吐くことも含めて牢から出すことはない予定だった。だが少し事情が変わったのだ」
「・・・その事情、とは?」
「私も確認した訳ではないが、アクゼリュスに第七譜石があるという可能性が浮上してきたのだ」
「っ!?」
(お~、随分とまた大きな物を持ち出してきたっすね大詠師様♪まぁこの娘相手なら変に怒鳴り散らすより、使命感持たせてっていう方が効率的か♪変に反感を持たれると言うことを聞かないまではいかずとも、やたら渋ってしまうのは目に見えてるし♪)
・・・それでモースの部屋に忍び込んだくのいちは部屋に来ていたティアと話をしていたのだが、第七譜石と言われてハッと息を呑むティアの姿に内心で楽し気に声を上げる。確かにティアをその気にさせるにはピッタリな中身だと。
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