軍師と女忍、未来を繋ぐ

「ただまだ完全に大丈夫と言い切れるかどうかと言えば、それに関してはもうどうしようもないと言うしかないでしょう。いくら警戒であったり気を張った所で予期せぬ出来事は起きえる物ですし、争う為の理由付けなどいくらでも出てくるものです。その全てをどうにかすることなど、私に限らず神ならぬ身では誰にも出来る事ではありません」
「そうですよね~、でなきゃ私みたいな存在なんて必要ないってなりますもん」
しかし絶対に安心ではないと言う孔明に、くのいちもまた同意する・・・人は争い、自らの欲望を望むことを簡単には止められぬ生き物である。だからこそそんな人という存在が絶対に争いを捨てきることはまず起こり得ない上、そういうものなら戦の為が主な存在となる忍として鍛え上げるような事にはならないと。
「ですがそれでも私はそんなことにならないように動きたいと思っていますが・・・これからも苦労をかけることになりますが、付いてきてくれますか?」
「勿論ですよ~。前世はどうあれ今私が一緒にいたいと思えるのは旦那様で、仕えたいと思うのもまた旦那様しかいませんからね~」
「フフ、そう言っていただけると嬉しいですよ」
しかしそれでもと考えるからこそ孔明であり、そんな孔明に付き従うと決めたのがくのいちである・・・そんな二人はこれからもと揺るぐことなく動くと笑顔を浮かべあった。このオールドラントを自分達が生きている間は滅ぼすような事態にすることなく、懸命に生きていこうと・・・




















・・・元々は滅びるはずの星だった。星が視た未来は人により人は滅び、星もろとも死ぬという未来。しかしそんな未来を変えようとした者達がいたが、その未来にならないようにではなくその未来にするようにと人々は認識していった。これが人類の繁栄の道筋なのだと真逆の道筋を歩むことなど知らず、多少のイレギュラーでは揺るぐことなくだ。

しかし徐々に未来は変わっていき、人々の中に未来が詠まれた言葉を訝しみ考えた者達が現れた・・・一つはその言葉を憎み恨んで壊そうとした者達。二つ目は本来の星の視た未来には存在し得なかった違う世界よりのイレギュラー達である。

この二つの存在により、星の歩むはずだった未来は少しずつではあったが変わっていった。そのイレギュラー達により本来の滅びのきっかけであった時が変わり、憎み恨んだ者達を結果的に利用する形になったがだ。

そして今、星は本来の滅びの道からズレだしてはいるがそれがいつまで続くかはイレギュラー達にも想定は出来ない。元来未来とは誰にも視ることが出来ない先にあるからこそ、未来なのだ。今ある平和に環境がいつまで続くかなど、最早誰にも分かる物ではない。



・・・しかしそのイレギュラー達はそれでいいと思っている。本来人の未来とは見えるものではないのだ。例えいい未来でもそうでなかろうともだ。

むしろ滅びが視られた未来を変えられ、新たな道を歩める事こそをいいことだと見るべきだと考えている。例え苦難が待ち受けていようとだ。

そしてイレギュラー達は人々にそれらの重要性を教えつつ、自らの命が尽きるまで歩み続けるだろう。自分達が築き上げた平和の道を力に命有る限り守り続けるために・・・










This story is the end










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