軍師と女忍、未来を繋ぐ

「ですのでルークの元に行ってから僕は休みたいと思います。お二人も、特に奥さんもこちらに戻ってきたばかりなのですからゆっくり休んでください。お二人もまだまだお若いでしょうし自らのお体についてよく知っているでしょうが、体を休めることは大事ですよ」
「そうですね・・・では今日はもう我々も部屋に戻りましょうか。今日はくのいちに鋭気を養っていただくという意味でね」
「まぁそうでなくとも私らがこれ以上お邪魔するのもどうかと思いますし、戻りましょうか」
「ではごゆっくりお休みください」
そうしてイオンが自分の用事と共に休むよう勧めれば二人ともに反対せずに退出していった為、イオンは二人の後ろ姿を笑顔で見送った。









「・・・ようやくとも言える形になりましたが、ダアトもそうですがマルクトもキムラスカも当面はこれで問題はないでしょうね。ただアッシュに関しては望外の喜びに近い報告を聞けましたが、だからこそ短慮に身を任せるような事にはならないでしょう」
「ナタリア様は不安ではあっても、そこはもうキムラスカ内部でどうにでもなることですしね~。それに余程酷いことが起きないなら国内の安定だとかを取るために、マルクトやダアトとの揉め事なんてそうそう起こしたくないでしょうしね」
「えぇ。表向き順調に行っていますが、やはりプラネットストームを止めたことによる音素の恩恵が無くなったことは影響は大きいですからね。戦争をするにしたところで譜術に譜業が使えない状態ではどうにもいかないと考えるでしょう」
「でしょうね~。こっちの世界の戦って譜術やら譜業があってこそって感じで戦略を推し進めてきたってのが分かりますから、それが無くなった今となっちゃ従来の剣や槍に弓に鉛玉を撃ち込む形の銃くらいしか使えるものは無いですからね。そんな中でどうにか戦争なんて簡単にいかないのは目に見えてますし」
・・・それで二人は自身らの私室に戻り話をするのだが、簡単には戦争にはなりようはないだろうというように口にする。特に使えるものの関係上と。









・・・戦において使えるものは何でも使うものだが、使えるものが無かったなら戦略というものはグレードが低くなるものである。特に便利な物に頼っていたなら尚更の事だ。

その点で譜業に譜術を頼っていたオールドラントの戦争は確かに戦略上は進んではいたが、それが失われればどうしていいものか分からないものに成り下がってしまうのだ。戦略は戦う上では同じ戦略を以て戦う相手より優位に立って戦う為の物であり、それが無くなればただ剣や槍で斬り合いただどちらが正面切って戦いどちらが強いかを決めるだけの物になる・・・質に差はあってもそんな戦になればどちらが数があるかが主となる戦いになるが、数がないなら降参とはならないのが戦である。

故に戦争となれば例え負けるのが見えていても国の威信であったり何らかの理由をつけて戦うとなるのが目に見えているが、そうならないようにしたいのもまた国である。

だからこそ音素が使えなくなり譜術が使えなくなった今、せめて譜業関係がまともに動かせるようになるまでは戦争といった展開にならないようにキムラスカやマルクトは注視すると二人は見たのだ。預言も詠まれなくなった今となっては、余程の理由もそうだが旨味が無ければ戦争など今やってもろくな事にならないのは分かりきったことな為に。









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