軍師と女忍、未来を繋ぐ

「・・・まぁもう今となってはダアトやオールドラントの預言による未来を推察することは出来ても、そんな未来だったりにならないようにしていくことの方が重要です。特に預言に詠まれた障気の件を考えると次に障気が復活するような事態になれば、まずそうなった時には政治の状態が良くなくなっているでしょうからどうにかしようとしても手遅れになる可能性はとても高いでしょう。その時に我々が生きているかどうかはともかくとしても、出来る限りはそうならないようにとはしていかなくてはなりませんからね」
「そうですね・・・僕達がどれだけやれるかは分かりませんが、やれるだけの事はやっていかなければなりませんね」
そんな風にかつてのダアトから今の自分達が出来ることをと孔明は口にし、イオンもまた同様の気持ちだと気持ちを新たにする。









・・・預言通りになるような事にさせないようにしてきた孔明達だが、オールドラントの状態は依然として安穏と出来る状況ではないという認識がある。それは障気のことがあるからである。

一応は障気の押し込みに成功した訳だが、障気は消えて無くなった訳ではない。あくまで障気はこれ以上産み出されて地表に出てくることが無くなっただけで、地中には二千年近くも出来て積もりに積もった障気は溜まっているのだ。

一応は簡単に障気が復活するような事はないと見られてはいるが、誰かが何かを起こす可能性もだが障気が人為的ではなく事故が起きて復活する可能性も無いとは言いきれないのだ。人災はまだ止めようがあるだろうが、天災は人の意志が関わらない以上どうしたところで未然に防ぐことは出来ない。

それに孔明もオールドラントに来て自身の生きていた所に比べて比べ物にならない程に科学の進んだ知識を得たことから、知ったのだ。星もまた生きているということに、その環境を守れるかどうかはそこに生きている人々自身の手にかかるのだということを・・・故にこそ孔明は出来る限り自身らが亡くなっても、例え天災により避けえぬ滅びが訪れたとしてもその時が来る時間を出来る限りは遅らせたいと思っているのだ。それが自分がこのオールドラントという世界に来て知識を身に付けてから、最終的にやりたいと思える事だったからこそ・・・









「・・・あの~、区切りもついたとこなんでもう今日はお仕事は終わりにしたらどうっすか?ちょっと付き合ってたあっしが言うのもって気はしますけど、何かこのまま行ったら二人の話が長くなって後に響くと思いますし、ここでずっとってのもあんまり良くないと思いますし」
「そうですね、そうしましょう。では我々はこれで失礼しますし、貴方も今日の所は切り上げてゆっくりしてください」
「分かりました。今日はもう終わりにしてこの後ルークの元に行ってから休みます」
「ルークの元?何か約束でもしてるの?」
くのいちはそんな会話に制止をかけるように入り、孔明も頷き休むように勧めるがイオンがルークと口にしたことに首を傾げる。









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