軍師と女忍、未来を繋ぐ

・・・そうしてディストの引き込みに成功したことから本格的にダアトを知識の場にすることにした孔明は、ヴァン達を止めて預言に詠まれた未来から変えた先の事を改めて考えていった。ダアトをちゃんとした形で後の世にその名を残す事を。

それで現在となってはディストやその周囲の技術者を取り込んだ上でダアトに眠る禁書の数々の研究などもされていき、その禁書の中で使えない技術もあったが使えると見られた技術もあったことからキムラスカやマルクトとはまた違う技術革新が起きると今は見られている。

ただそんな風に技術の知識もあれば、本などによる純粋な人の知識の為の物も出すことが中に入っている・・・これは単にベルケンドのように新たな譜業や技術を作ることのみを目的とすれば二番煎じとなることを避けると同時に、差別化を図るためであり利点を作るためだ。ベルケンドのような風になれば技術者が主に来るだけになることから、文化的な人々の来訪を期待してでもある。

故に三年経った今となってダアトは技術の研究と共に、本を書けて出せる環境を整えて動くことにしたのだ。そしてその筆頭となっているのが、他ならぬ孔明なのである・・・









「・・・成程。そういった本を書くのも良いでしょうね。ただ一応中身としてはキムラスカやマルクトへの配慮をしたような物にすることは必要ではあるでしょうが、今ならそういった事を書くのにもちょうどいいでしょう。アッシュがそのように穏やかと言うとなんですが、心境の変化があるなら取り敢えず余程でなければ大丈夫でしょうね」
「んじゃそう言った本は書くって事なんすね?」
「えぇ、ちょうどいい本の題になりそうですからね」
・・・そうしてダアトに戻ってきたくのいちはディストと別れて孔明の元に行き、一連の流れを説明した。
それで椅子に座って話を聞いていた孔明はその話に乗り気になり、微笑を浮かべた。
「・・・と言うか旦那様。今更な部分もありますけど、結構本を書くことにノリノリですよね。本を読むのが好きなのは前々から知ってましたけど、書く方もイケるとはって感じですよ」
「以前は殿に誘われるまでは晴耕雨読と言った生活ではなく、様々でいて自由に振る舞っていました。ただ殿に仕えるようになってからは基本的に娯楽などはたまに評判のいい書籍を読むくらいしかなく、何かを書くことなど軍関係での書簡などに色々と書いていくくらいしかありませんでした。そしてこうしてこのオールドラントに生まれ落ちてからダアトに預言を変えると決めてからは似たようなことばかりしていましたが、こうして時間が取れていて本を書けることに関しては実は私は好きなんですよ」
「あ、そうなんですね」
「えぇ、前の時は特に代表作などはありませんでしたが本を書くことは楽しいですよ」
「まぁ旦那様はそう言ったこと得意そうですよね~。ただ私の知るお殿様は知将とは呼ばれてはいたけれど書を書くのは下手だって言われてましたけど、旦那様の書いた書はそんなことなく面白いって評判ですよ」
「ふむ・・・出来れば少しその方の事に関して聞いてみたいところですね」
そんな風になる孔明にくのいちが楽しそうな姿についてを聞いて、前世の事も交えつつ穏やかに会話を交わす。それはそれは楽しそうに。









.
30/40ページ
スキ