軍師と女忍、未来を繋ぐ

・・・孔明としては開墾に関しては以降も続けていきたいというか、人を安定して置いておきたいと思っている。折角開墾した場所で作物を作れるようにしていくのに、それを放置するなんてことをしたら何のために人材やら資金を投資したのかという話になるからだ。

故に仕事を辞めるにしても交代の人員やら何やらを決める必要があるが、元々働いていた者達なら勝手は分かるであろうし何よりその時のダアトにその者達が出来る仕事はまずないだろう。何せその時にはもうローレライ教団は孔明考えの元で教団としての在り方が変わっていることは間違いない状態になっていて、古い教団の在り方の時の仕事のように働けないのは目に見えている。

それならいっそそのまま開墾作業に出来上がった土地から作られる作物相手に農作業をしてもらった方がいいのは目に見えていて、その者達も丞相が言うならそれで・・・となるのは間違いないだろう。

ただこれは見た目だけで言うなら収まるところに収まったと見れるかもしれないが、あくまでも孔明もそうだが、他の人々が同じ立場に立ったとしてももうそんな人物達をうまく扱えるだけの場がもうないからだ。

・・・自分の意志がなく言うことを聞くしか脳がなく、更には本人達には自覚も悪意もなくともトラブルを引き起こしかねない危険性が非常に高い。そんな爆弾みたいな者達を放っておけば危険なことになるだろうというのは目に見えている・・・だから孔明は様々に考えて策を講じたのだが、当人からすればそんな自己がなく責任能力を身に付けようとしない者達に変わってほしいと切に願っているのだ。色々な意味を含めて。









「・・・ちなみに一応私も確確認はしていましたが、貴女の目から見てタトリン夫妻はどれを選ぶと思いますか?」
「三番目以外に無いです。むしろそれ以外を選ぶとは思えません。理由としては単純に預言が詠まれる可能性を信じたいことに加えてダアトから追い出されるってことを避けるためにです」
「私と同じ考えですね・・・これだけ合ってほしくない予想も中々ありませんが、貴女もそう見たのであればあの二人に関しては開墾の場でその人生を終わらせることにしましょう・・・あの二人は十年以上は働かねば借金は返せぬ身で、年齢として見て返しきれるかどうかもそうですし返しきれたとしてもその時にまともに肉体的に健康かどうかも定かではないでしょうからね」
「まぁ元々肉体労働は得意って言えるような人達じゃないですし、ダアトの為に役に立てるんなら本望とでも思いながら死ぬと思いますよ~・・・愚かな事だとは否定は出来ないですけど、これで終わりにするのがもういいんでしょうね・・・」
「そうですね・・・」
そんな二人は話の対象をタトリン夫妻についてに移行させるが、二人ともに何とも言い難い空気を滲ませるしかなかった。









・・・ただ借金をしている者達についてを考えてはきたが、タトリン夫妻の事に関してはやはりアニスのこともあって気にせざるを得なかった。だが同時に・・・まず二人が孔明の予測をいい意味でも悪い意味でも裏切る可能性はないと見ていたのだが、本当にその通りになったことに落胆の気持ちを分かっていたとは言え幾分か抱かざるを得なかった。やはりという気持ちがあるからこそ、あのように実際にその姿を見たからこそ。









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