軍師と女忍、未来を繋ぐ

「・・・皆様、お静かにお願いします。続いて三つ目の選択肢についてをお話致しますが、貴殿方にはその三つ目の選択肢も含めてどうするのかを決めていただきたいと思っています。ただ一応はこういった案はどうなのかという声も受け付けるようにしたいとは思っていますが、基本的に借金の返済について現実的に考えていない案については却下しますのでまずは三つ目の案を聞いてからどうなのか・・・それらを判断してください」
‘‘‘‘・・・’’’’
そんな人々を落ち着かせるようにまずはまだある三つ目の案を聞くよう孔明が口にすると、人々は話を聞こうと静かになって黙りこむ。
「・・・では三つ目の案についてをお話ししますが、こちらに関してはダアトを出る必要はありません。ただ少し今働いている場所から離れていただくようにしていただきます」
‘‘‘‘・・・?’’’’
「どういうことかと思われているでしょうが、教団の上層部にてこのパダミヤ大陸の一部を開墾して食料を作る計画を実行するように動いています。これは新たな働き口を作ると共に食料を生産することにより、食料輸入の分の費用を抑えることであったり全部とは言わずとも、自分達で食べ物をある程度はまかなえるようにするために新たな田畑を作ろうということを目指してです。そしてその人員として働く事が三つ目の選択肢になります」
‘‘‘‘っ・・・’’’’
そうして三つ目の案・・・新たな田畑の開墾の人員として働くという教団の考えを共に明かされたのもあり、人々は感嘆の様子を浮かべていた。そういうことが水面下で考えられていたのかと。



・・・この新たな田畑の開墾という案に関しては、実は孔明が以前から進めたいと思っていた案であった。

これに関してはダアトと言うよりはパダミヤ大陸は広さはそこまでではないものの、緑豊かで水源となる水も豊富な土地柄にある。ただダアトというローレライ教団としての本拠地があり、教団としての活動を重視する事に加えて食料は教団の権限の関係から安く輸入してしまえばわざわざ自分達で作らなくていいし、教団としての活動に専念出来る・・・と言うことからダアトには畑というものは個人が趣味として何か作るような物くらいしかなかった。

しかしローレライ教団が教団としての在り方を変える事を考えれば、決して今まで通りのやり方でやっていっていいはずがないと孔明は田畑を開墾することに関してを推し進めるべきだと考え動いてきた。ディストを始めとした研究者達や農家達にそう出来るようにならないかと。

そうして土地柄として作物を育てるには問題はないというような太鼓判を押されたのを確認した孔明は、その田畑の開墾にタトリン夫妻のような人物達に関わってもらおうと考えたのである・・・彼らの行動抑制を兼ねて・・・



「これらに関しては近々人々に向けてこういうことをすると発表する予定で働き手に関しての募集をする段取りになっており、そこに参加するか否かを先の二つの選択肢も含める形で貴殿方に投げ掛けているわけですが・・・一つここでそうすると選ぶにしても、了承していただかなくてはならないことがあります。それはその選択肢を選ぶというのであれば、開墾する土地の近郊に建てる住宅への移住をしていただくことです」
‘‘‘‘・・・?’’’’
ただ孔明が続けた話の中で出した条件を聞いて、人々はどういうことかと揃って不可思議そうに首を傾げた。何故住宅への移住がその条件になるのかと。









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