軍師と女忍、未来を繋ぐ

「まず一つですが、これまでの生活を続けつつも借金をしないようにしながら借金を返していくというものです。ただこの案に関しましてはこちらに集まられました皆様にはあまりお勧め出来るような物ではないと思われます・・・様々に理由はあれども普通に暮らしていくには過分な借金を躊躇いなく、それも自分達の危機の為にでなく行える方々では何かの要請があった場合に借金を返すのは時間がかかってもいいからとなる可能性はどうしても捨てきれません。それにその限度額は最低限質素に暮らして年単位で働けば返せる程度に見越して設定された物ですが、それを上回るようなことをされれば期間も長くなり最終的に借金の返済も出来ないままに亡くなるということも考えられない訳ではありません。そうなれば困るのはお金を貸した側になりますので、もう絶対に借金をしないと意思を固めて借金を返すと行動出来ない方にはお勧め出来る物とは到底言えません」
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それでまず一つ目はと孔明が口にした案だが、借金を我慢が出来ないならお勧めしないとこのままの生活をすることへのリスクを口にしていった事に、何人かの人々は表情を少し難しげに歪める。孔明の口にしたような我慢など自分達に出来るのかといったよう。



「・・・それで次に二つ目についてを説明しますが、いくつか条件をつけさせていただいた上でキムラスカやマルクトなどに移住された方々と同じように移住することです。ただ条件をつけると言ったよう、先にダアトから出られた方々のように自由にという訳にはいきません。そしてその中で守っていただかなくてはならない条件の中の一つに、ダアトに二度と戻らないということに従うというものがあります」
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「何故だという反応をされていますが、これに関しては借金を返さないままにダアトを出るというようにしないために加えて、軽々しくダアトに戻られてもこちらが困るためです・・・この対策に関してこの後に話す三つ目の案との対の案として考えたのですが、まずは貴殿方が借金をまともに返すことを念頭において私は様々に考えました。その中で私はそういった他国に行ってダアトに戻らないことの代わりに、労働力として送り出すことでその対価として借金返済とするようにするといった制度にしようかと考えた時・・・やはり他の場所にいるのではなくダアトに戻りたいから戻らせてもらうと我慢が出来ずに行動してしまうであったり、借金がそういう形で無くなるのであれば同じようなことを繰り返せば好き放題な事が出来るとその制度を悪用する方々の出現だったりと様々な可能性を考えての事です。もしそのようなことが起きれば正直な話としまして後者の理由は最初から論外ですが、前者のような行動を取られましても心情的にはまだしもそこで働くというから借金の返済の肩代わりをしたというのにそれすらも守れないと言うのであれば、こちらも気持ちよくありませんしその方を受け入れた方々もまた気持ちよくありません。ですので金額の大きさの意味合いも含めて肩代わりをする代わりに、後はもう完全に自己責任としてダアトの庇護から離れて活動をするようにとの意味合いでダアトに戻らないようにという条件にしたのです」
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・・・それで少し人々が落ち着くまで待っていた孔明が二つ目と口にした選択肢だが、そう考えた理由と危惧に対する物についてを聞いて人々は大いにざわめくことになった。二つ目の選択をすれば借金返済が出来るという魅力はあるが、それと同時にもう二度と甘い気持ちや理由でダアトに戻れないのだという事実を前にして。









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