軍師と女忍、未来を繋ぐ

「まぁそれらについては後にするとして、ユリアシティでのこれまでについて報告をお願いします。ある程度は手紙で把握してはいますが、実際にどうなのか貴女の言葉からお聞きしたいですからね」
「はい、分かりました~」
それで孔明が次はユリアシティの説明をと言えば、くのいちはまたあっさりと頷く。
「この半年程でユリアシティは港町として機能するようになったと聞いていますが、住民の方々の感情としてはどうでしたか?」
「それは大体問題ありませんでしたよ。もう外殻大地が空の上にあった頃とは違うから、やっぱり行き交う船の中継地点として場所を提供しないと物資やら人の行き来も出来ませんしね。それでまぁユリアシティの住民に関しては神託の盾が援護って形でうまくいくようにやっておきました」
「成程。では大体以外の部分は?」
「ダアトでもそうだったでしょうけど、住民の中で何人かが今のこんな預言を詠めない環境やらユリアシティが衆目に晒される事が耐えられないって騒ぎを起こして出ていったんですよ。まぁ元々ユリアシティの住民はあまり数もいませんでしたし、むしろ出ていってくれて楽でしたね。そう言った人達がいなくなった分、穏健派が残ったんで」
「ユリアシティ出身者、ですか・・・となれば外殻大地を再び空に戻したいという人物がいたという報告がありましたが、おそらくその人々の事でしょうね。外殻大地が空に浮かんでなければ気が済まないといったようなおかしなこだわりを持った人など、元々外殻大地が空に浮かんでいたことを自覚していた人々でなければいませんからね」
「ほうほう。ちなみにその人達はどうなったんで?」
「騒ぎを起こしていた多数の人々の中で処分を下されたと報告書を受けました。この辺りは預言復活も願っているからこそその方々と同調したんでしょうが・・・これは仕方無いでしょうね。もう起こしてしまったことに起こったことは変えようがありませんからね」
「まぁこの辺りはもうどうしようもないですよね~」
そこから二人はユリアシティの住民についての話をしていき、その中で問題を起こしていた人々についてになるのだがあっさりと二人は終わらせる。もう死んでしまった者達について議論する理由はないと。
「では次にですが、ティアはどうなりましたか?」
「あ~、ティアですか・・・結果的に言うといつ死んでもおかしくない状態になってます」
「・・・と言うと?」
「簡単に言うとまた神託の盾として活動したいって案の定切り出してきたんですけど、ユリアシティにしばらくいるからまぁ変に問題を起こすより神託の盾としてより、まずはユリアシティの安定の為に活動したらってお茶を濁す形で勧めたんです。そしてそれでしばらくは市長の手伝いって形で仕事をしてたんですけど、やっぱり元々の体の具合から徐々に体調を崩してって私達が帰るって段になる頃にはもう寝床から起き上がるのにすら難儀な状態になってて・・・」
「・・・そう聞くと自業自得と言って差し支えないとは思いますが、彼女は自分の状態についてを今度こそは理解しているのですか?」
「まぁ流石にという感じで、理解したっていうかさせられたって所ですね。一応見舞いには何度か行きましたけど、本当に一つ一つの作業をこなそうとすることにキツそうにしてた上で絶望的な表情になってましたよ。ただそんなものだから一応こっちは手を出すことなく済ませられたんですけどね」
「リグレットの事を考えるなら直接手を出さずに済ませられたと認識しておけばさして悪いことではない、ということですか」
その上で次にティアについてに話題は変わるのだが、もう再起不能だといったような状態になっているとの返答に孔明はならいいかというように漏らす・・・ティアが苦しむ事態になってはいるが、直接手にかけるようなことがないならまだリグレットにとってはマシだろうと。









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