時を経た変化
繰り返すようなことになるが、今のナタリアの立場からその独断とも取れる行動は決して望ましいと見られるような物ではない。そしてそうなればアッシュやインゴベルト達だけではなく、貴族達の目や耳にも当然ナタリアの行動については入ってくることになる。
ただでさえナタリアはアクゼリュスでのバチカル抜け出しの事があり、貴族達が抱く感情としては決して手放しでこれ以上の勝手でいて周りを巻き込むような行動は喜ばしい物ではないと思われていることだろう。いくら表向きには何事も無かったかのように後始末をインゴベルト達が行ったにせよ、それはあくまで民衆や表向きの措置であって近い位置にいる貴族達の心象までの低下は避けようがない。
その上で今のナタリアの活動が貴族達にとって心地よいものに映るかどうかと言えば、まず有り得ないだろう。一時期は自重を覚えていたかもしれないが、そういった自重をすっ飛ばしたかのような態度をまた見てきてしまえば貴族達が抱く感情は心地よく無いものになるのは明白だ。
そしてそれが続けば貴族達も抑え目な表現で恭しい言い方になるだろうが、インゴベルト達にナタリアはどうにかならないかと切り出すだろう・・・そしてその時にインゴベルト達もそれならばと解決に乗り出すことはまず間違いない。何故ならナタリアの行動はインゴベルト達にとっても目に余る物だからだ。
・・・もうナタリアも年齢にして21という歳になり、アッシュも成人の儀を行ったことにより表向きに二人が結婚することにはなんら問題ない状態にある。それに元々から二人は婚約している間柄であることにそれらを公表していることから、どう遅くとも三年の内には結婚することになるだろう。一応王族という立場上健康管理などは事細かにされていてバチカルの下層に住むような人々よりは断然長生きしやすい環境にはいるが、それでも早目の結婚に子どもを作ることが体調を筆頭に望ましいことは確かという視点からだ。
だがナタリアが貴族達までもから不平不満を向けられてきたなら、当然インゴベルト達も彼女が政治の実権を持つことへの不安を抱くだろうし自分達が退いたり逝去した後の事を考えれば、今の内にナタリアについてをどうにか解決したいと思うのが正しい判断になる事だろう。
そしてそれをどうにかしたいとするなら前述の通りにナタリアが子どもを身籠る事が手っ取り早い上で穏やかな手段になる。ナタリア自身は不満に感じるだろうが、孔明に言われたよう次世代の王族の子を産まなければならないことを踏まえれば拒否を返すには色々と難しいと言わざるを得ない。
ただそこでアッシュが心地よくスッキリとナタリアの事を迎え入れられるかである。
・・・確かにアッシュとナタリアが想いあっているといったような様子は旅の間で何度もくのいち達は見てきたし、二人の性格や考え方からすればそうそう互いを嫌いになることは無いだろう。しかし今のアッシュが女性としてナタリアを愛するというか、意識出来るかと言われればどうかと言わざるを得ないのが実情だろう。
この三年でアッシュとナタリアがどのような感じだったのかは又聞き話程度でしかくのいち達は聞いていないが、音素の補填により心変わりをせざるをしてしまったアッシュがどれだけナタリアにより苦心してきたかは想像に難くはない。少なくとも以前ほどにはナタリアに対して純粋な想いを抱けないだろうというくらいには考えさせられてきただろう。
ただそれでもアッシュの中ではナタリアに対する想いに優しさはあるだろうし、本物のナタリアと入れ換えをされていることを聞かされていることから自分が我慢しなければならないと思っていることだろう・・・そういった考えと板挟みになることから、純粋な気持ちでナタリアを見ることが出来なくなっていると自身では気付けないままに。
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ただでさえナタリアはアクゼリュスでのバチカル抜け出しの事があり、貴族達が抱く感情としては決して手放しでこれ以上の勝手でいて周りを巻き込むような行動は喜ばしい物ではないと思われていることだろう。いくら表向きには何事も無かったかのように後始末をインゴベルト達が行ったにせよ、それはあくまで民衆や表向きの措置であって近い位置にいる貴族達の心象までの低下は避けようがない。
その上で今のナタリアの活動が貴族達にとって心地よいものに映るかどうかと言えば、まず有り得ないだろう。一時期は自重を覚えていたかもしれないが、そういった自重をすっ飛ばしたかのような態度をまた見てきてしまえば貴族達が抱く感情は心地よく無いものになるのは明白だ。
そしてそれが続けば貴族達も抑え目な表現で恭しい言い方になるだろうが、インゴベルト達にナタリアはどうにかならないかと切り出すだろう・・・そしてその時にインゴベルト達もそれならばと解決に乗り出すことはまず間違いない。何故ならナタリアの行動はインゴベルト達にとっても目に余る物だからだ。
・・・もうナタリアも年齢にして21という歳になり、アッシュも成人の儀を行ったことにより表向きに二人が結婚することにはなんら問題ない状態にある。それに元々から二人は婚約している間柄であることにそれらを公表していることから、どう遅くとも三年の内には結婚することになるだろう。一応王族という立場上健康管理などは事細かにされていてバチカルの下層に住むような人々よりは断然長生きしやすい環境にはいるが、それでも早目の結婚に子どもを作ることが体調を筆頭に望ましいことは確かという視点からだ。
だがナタリアが貴族達までもから不平不満を向けられてきたなら、当然インゴベルト達も彼女が政治の実権を持つことへの不安を抱くだろうし自分達が退いたり逝去した後の事を考えれば、今の内にナタリアについてをどうにか解決したいと思うのが正しい判断になる事だろう。
そしてそれをどうにかしたいとするなら前述の通りにナタリアが子どもを身籠る事が手っ取り早い上で穏やかな手段になる。ナタリア自身は不満に感じるだろうが、孔明に言われたよう次世代の王族の子を産まなければならないことを踏まえれば拒否を返すには色々と難しいと言わざるを得ない。
ただそこでアッシュが心地よくスッキリとナタリアの事を迎え入れられるかである。
・・・確かにアッシュとナタリアが想いあっているといったような様子は旅の間で何度もくのいち達は見てきたし、二人の性格や考え方からすればそうそう互いを嫌いになることは無いだろう。しかし今のアッシュが女性としてナタリアを愛するというか、意識出来るかと言われればどうかと言わざるを得ないのが実情だろう。
この三年でアッシュとナタリアがどのような感じだったのかは又聞き話程度でしかくのいち達は聞いていないが、音素の補填により心変わりをせざるをしてしまったアッシュがどれだけナタリアにより苦心してきたかは想像に難くはない。少なくとも以前ほどにはナタリアに対して純粋な想いを抱けないだろうというくらいには考えさせられてきただろう。
ただそれでもアッシュの中ではナタリアに対する想いに優しさはあるだろうし、本物のナタリアと入れ換えをされていることを聞かされていることから自分が我慢しなければならないと思っていることだろう・・・そういった考えと板挟みになることから、純粋な気持ちでナタリアを見ることが出来なくなっていると自身では気付けないままに。
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