時を経た変化

「そんな訳でアッシュとナタリア様の関係に関しては決して順調じゃないらしいんですけど、それでもと言うか三年前に比べたらまだマシにはなってはいるようなんですよ。と言ってもマシってくらいで、なら振りきれてるとかそんな感じになってるかって言われたらそうじゃないらしいんで」
「話の流れとしてはそうだろうとは何となくは思いましたが・・・そんな状態を陛下達はどのように思われているのですか?」
「ぶっちゃけどっちがまずいって思ってるかって言うと、ナタリア様の方らしいです。アッシュは音素の補填が済んで以降は思い悩みはしてはいてもまだ素直に言うことに従ってはくれるらしいんだけど、ナタリア様はそんなアッシュとどうにかいい関係性を築きたいと思いはしてるだろうにしてもアッシュの状態を考えた物じゃないから、ギクシャクとしかなってないらしくて・・・」
「あぁ・・・確かにナタリア様が問題になりますね、それなら・・・」
そんな二人について今も尚問題があることをくのいちは口にし、ナタリアの方が酷いと見られてるとの中身にフリングスも納得してしまう。大人しくなっていないならそう見られるのも妥当だろうと。
「・・・ちなみにディストに研究者としての観点からお聞きしたいのですが、両者に精神的に改善の余地はあると思いますか?」
「無いとは言い切りませんが、かなり難しいのは確かですね。特にナタリア様に関しては年齢的にもかなり考え方を変えるのは難しい所にあるのに加え、あの方自身は自分が変わらなければならないという意識を少しでも持っているとは感じられません。ですのであまり二人に過度な期待は出来ないでしょうし、インゴベルト陛下達もそれらを踏まえた上で動かれるでしょう・・・丞相の言われたような打開案を参考にする形でね」
「打開案ですか・・・確かにその方がもう手っ取り早そうではありますね・・・」
フリングスは次にディストに視線を向けてどう思うかを確認するのだが、かなり難しいとの答えと以前に出した孔明の打開案との言葉が出てきたことに真剣に頷く。
「まぁあっしもそれでいいと思うんすよ。前と違ってアッシュは大人しくなったのは見てて分かったんですけど、だからって自我が全くない訳じゃないから大丈夫なまんまとは言いきれないですし、何よりナタリア様の方が今となっては良くない兆候が見えてますもん。下手すると自分の考えがアッシュの考え、つまりはキムラスカ上層部の総意だ・・・みたいなことを意気消沈って感じのアッシュの代わりにと宣って、好き勝手する可能性が将来的に出てきかねませんし」
「・・・もしそうなった場合、マルクトやダアトにどのような影響があると思われますか?」
「考えられる可能性としてはアッシュとナタリア側と、それ以外の反対派で国が割れて内紛状態になるってのが一番最悪な状況ですね。もしそうなったらどっちが大義があるとか道理があるとかじゃなくどっちもがマルクトやダアトに助けを求めては来るでしょうけど、そうなったらどうなるにしてももう手遅れですからね~。その時はもうどっちかが勝つまで終われないってなって、キムラスカの内紛の影響はマルクトやダアトにもどうあがいたって来るでしょうから関わらずにはいられないと思いますから」
「っ・・・そんなことにはなってほしくないですし、インゴベルト陛下達も似たよう危惧を抱くからこそ対策を取る為に動かざるを得ないと言うことですか・・・」
「そういうことです」
くのいちも同意をした後にナタリアの将来的な危険性を口にしていき、フリングスもその危険性に表情を緊迫したものへと変える。可能性だけとは言え聞いてて不安にならざるをえない物だった為に。









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