時を経た変化

「まぁそこに関しては旦那様とか皆誰も予測してませんでしたし、何より悪いことじゃないのは確かですもん。そんなものなんであっしらに責任取れとか言われても困りますし、いつも怒ってたり不機嫌だったりしたのが無くなったんだがどうしてくれる!・・・なんて文句を言ってくる人なんていないでしょ」
「あぁ・・・確かに言われてみれば、そんなクレームを入れる人はいないですね」
「そうでしょう?それに陛下にも旦那様の推測については話したんすけど、そういうことかって納得して終わってくれましたよ~。後はアッシュ自身にナタリアの問題だからって」
「ん?・・・どうしてそこでナタリア様の名前が出てくるのですか?」
だが悪いことではないと言い切り話を続けるくのいちだが、フリングスはナタリアの名に引っ掛かりを覚える。
「ほら、あんまり長くはなかったにしても一緒にいた期間があったから覚えてますよね?ナタリア様がアッシュに対してやけに意識をしてた上で、アッシュもアッシュなりに複雑な感じだったのは」
「まぁそれは」
「そこで問題なんですけど、今言ったようなアッシュの状態に関してナタリア様がどう思うと思いますか?」
「・・・それは・・・正直、難しいですね・・・おそらくアッシュのあの激しさが無くなったことは喜ばれたかもしれませんが、だからと言ってナタリア様にその分の気遣いや心遣いなどが向けられるとはあの様子からではあまり・・・」
くのいちはそこからナタリアを思い出すようにといった上でアッシュとのことについてを問いかけると、考え込むようになりながらフリングスは難しいと漏らす。アッシュがいきなり目に見えてすごくナタリアに優しくなる姿など、以前の姿から想像出来なかった為に。
「ん~、まぁその辺りはあっしらも似たような感じだったんでディストから陛下に直接聞いてもらったんすよ。あくまで日常の中で変化が無かったかどうかに関して調べるって体で。ただ流石に色よく話してもらいはしなかったんすけど、それでも話は聞けました」
「それで、どうだったのですか?」
「結論から言うならアッシュがそんな調子で自分について悩んでるって感じだったから、ナタリア様は思うように話すことが出来ていなかったらしいです。ただ陛下はナタリア様が思うような理想的な関係になるのは色々と難しいだろうとは見ているから、仕方無いって思ってるらしいんですけどね」
「仕方無い、とは?」
「確かにアッシュは大人しくはなったけれど、だからってキムラスカの為にって風な考えにはなりきれてはないらしいんですよ。理由としてはアッシュが今言ったような物からスッキリとした気持ちになりきれてないからっぽいんですよね~。それはそれ、これはこれって割り切って考えられる程アッシュって器用じゃないって陛下達も分かってますし」
「あぁ、確かに彼はその点では器用とは言いがたそうではありますが・・・そんなアッシュと三年の間うまくやれなかったということですか、ナタリア様は・・・」
「そういうことですけど、そもそもナタリア様もナタリア様でそれならって考え方に接触の仕方とか変えれる程器用じゃないのがまたあるんですよね~・・・」
「あぁ・・・確かに二人の間でのことですから、一概にアッシュだけがダメだったとは言えないですねそれは・・・」
それらを踏まえた上でアッシュの内心がいかにぐちゃぐちゃであったかについてをくのいちは話していくのだが、途中からナタリアも責任があるといったようなことを口にしたことにフリングスは確かにと頷く。男女関係は片方だけの気持ちだけで全て進む程甘くはないし、簡単ではないと。









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