時を経た変化

「今までは確かに気安くお前と接触してきたし、色々と幼馴染みとしての立場もあるからこその物だった。だがそうして結婚の事も含めて変わることを決めたならこそ、お前との関係性も変えると決めた。いや、変えなければならないと考えた・・・今までの俺は自分がやりたいようにやることばかりを考えて本来やるべきことを疎かにしてきた。今まではそれでも結果が出てきた上にそう出来ると疑うこともなかったが、これから先はその目を背けてきた物と向き合うことにした・・・それなのにお前との関係性だけを都合よく続けようというのは良くないと考えたんだ」
「・・・だから関係性を変えると、そう言っているんですか」
「そうだが、お前も俺と丸々当てはまるとは言わないが変わるべきだと思っているからこう言っているんだ」
「え・・・?」
ピオニーは自分の意思は深く固い物であることを迷いなく口にしていくのだが、お前もと口にしたことにジェイドはキョトンとした様子になる。
「こうして俺がお前との関係性を新たにする以上、これ以降はお前が俺の元に気楽に来ることは望ましくないというのは分かるだろうが問題はそれだけじゃない・・・その中でも最も大きなことは、お前も俺と同じくカーティス家関連で結婚についてだったりを考えた方がよいということだ」
「っ・・・!」
だが続けられたカーティス家との単語に、ハッとした顔をジェイドは浮かべた・・・事実ジェイドもピオニーと同じよう、養子として引き取ったカーティス家という家に関して自分は結婚するつもりもないしまたは自分の時と同じように優秀な人物を養子として引き取るなどの処置を一切していなかったことに。
「お前がそう言ったことを考えたくないだったり進めたくないといった気持ちは俺も同じような立場や似た考えを持っていたから、ある程度は理解は出来る。しかしお前も俺と然程歳は変わらない上に、後々の事を考えれば結婚は嫌だから養子を取るという姿勢にするにしても事は進めるには早い方がいいのは分かる筈だ」
「・・・確かに、それは否定出来ませんね・・・」
更にピオニーがそうした方がいい理由についてを語るそね中身に、ジェイドは苦々しくも否定を返せなかった。









・・・孔明やくのいち達がいた所や時代と比べると、オールドラントの文明や文化の方が基本的にレベルは高いと言える。その為に衛生面などはバチカルでも下の階層で一部の貧困層が暮らすようなスラム地区みたいな場所でなければ、衛生面では問題ない場所の方が多い。

しかし、地球にはいない魔物の存在であったり野盗が広範囲でいて魔物と同様に人を襲うことから直接的に命の危険に繋がることが多いことに加え・・・預言に詠まれた上で孔明が以前に話したような世界規模に発展する戦争や病魔が襲い掛かる未来が有り得たことから、治安的な意味ではまだくのいちがいた頃の地球に比べるとオールドラントの方が悪いと言わざるを得なかった。

そしてそんな環境であるものだから人の寿命というものに関してのくのいちのいた時の地球と比べてもどっこいどっこいがいいところで、50にも行けば長生きと十分に見られるレベルだ。その点でセントビナーの老マクガヴァンに関しては相当に長生きしている部類に入るが、それが他の人間や自分にも適応されるとは限らないとジェイドも見ている。

その点でそう遠くない内に36にもなるジェイドが自分を養子として引き取るとしたカーティス家に対し、跡継ぎをどういう形でも残すという義理を果たすことを考えるなら、まごつけばまごつくほど良くないと言える。少なくとも結婚については歳を取っても出来ることは出来るが、子どもに関してはジェイドの機能が果たせなければ最早どうしようもないのだから。

それに養子を取るにしてもカーティス家の跡継ぎとして使えるかの見極めもそうだが、色々と教え込むための時間もまた必要になる・・・どちらを選ぶにしてもそういった時間を余裕がある内に必要になることをピオニーから言われ、ジェイドもまた自覚をせざるを得なかったのだ。もうあまり時間もないのだと。









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