時を経た変化

・・・オールドラントの命運を左右する預言に、預言を盲信する人々を変えるために動いてきた孔明達。そうして動いてきた孔明達がローレライの解放を行ってから、三年の時が経った・・・









「・・・ピオニー陛下、よろしいですか?」
「・・・なんだ、ゼーゼマン?」
・・・マルクトのグランコクマの謁見の間にて、玉座に座っていたピオニー。そこにゼーゼマンが現れたことに真剣な様子で用向きを問う。
「キムラスカより手紙が届きました。内容は『ルーク=フォン=ファブレ』殿が成人となるので、両国の友好も兼ねてその成人の儀に来ないかといったような中身ですが・・・いかがなされますか?」
「出席は勿論するようにする。キムラスカから友好の為にと言うならそうするべきだろうからな・・・だが誰を出すかについて少し考えたい。明日になるまで少し待て」
「はっ」
それでゼーゼマンが用向きについて答えると、少しの間を空けて明日にとピオニーが言うと了承だと敬礼を返す。









・・・それでピオニーは執務をこなし、夜になり自室に戻った後にペットのブウサギ達に一通り構った後に思案の顔を浮かべていた。
(さて・・・『ルーク=フォン=ファブレ』の成人の儀といった儀を執り行うということは、少なくともマルクトやダアトにアッシュの姿や態度を晒しても問題はないといったような状態になったからそう切り出したんだろうな。でなければそうそう易々とキムラスカが将来の王となる人物の恥部になりかねんからな)
そうして考える中身はわざわざ成人の義などというものを行う理由についてだが、少なくともアッシュについて問題があるならやらないだろう・・・むしろそういったことはないだろうからこそこう言ってきたのだろうと。
(そう思った理由についてはともかくとしても、誰を行かせるかだが・・・アスランだろうな。ジェイドはアッシュと相性が良かったとは言えないのもあるが、今となってはジェイドをマルクトから動かすわけにも俺が呼び出すのもあまり良くはないだろうからな・・・)
そうして考えを誰を派遣させるかに移行させる中で、ジェイドについては色々と無理があるとピオニーは考える。









・・・元々の関係性として、幼馴染みという立場にあって地位を超えた友情を互いに持っているとピオニーは感じていた。だがその考え方は三年前の孔明達との出会いと話により、その立場や接し方を考え直した方がいいという考え方へと変わった。

そしてそうするに辺り、ジェイドをどういう風に扱うかについてをピオニーは考えたのだがすぐに結論が出た・・・それは音素が巡らなくなったこれからの為に、音素が無くても作動させることが出来る譜業の開発に回すというものだ。

これに関しては昔取った杵柄というヤツでジェイドが譜業の開発にも十分に役に立てるだけの能力があると知っているからこそ考え付いた物で、単純にこれからのマルクトのこれからを考えれば軍で指揮を取らせるよりそういった研究職につけた方がいい結果になると思ったからである。現にジェイドが研究職に移ったことから開発出来た新たな譜業もいくつか存在している。

しかしそういった配置に関して、当のジェイド本人はあまりいい顔をせずに研究職を任されてからしばらくしてピオニーに直接話をしに来た事があった。









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