軍師と女忍、総合する

「・・・確かに私はユリアシティでティアが留まってくれることを思うというか、計算に入れていました。元々ティアは貴女なら聞いているでしょうが、私を以前に刺したこともあってモースの覚えも悪くあまり神託の盾としての活動をしておらずにユリアシティにいることが多かった。ですからティアは私の計画が済むまではずっとユリアシティにいて、外殻大地が全て落ちてレプリカ大地が為された時に迎え及び話をするつもりでした。こういう事があり、こうしたのだというように」
「まぁそれは分かるけど、ティアが納得する云々よりユリアシティの住民はどうする予定だったの?ティアだけに接触してうまく話が出来たとは思わないし、性格的に市長を始めとしてユリアシティの住民をほっておけないとか言うだろうけど」
「その点に関しては然程心配はしていませんでしたよ。何せその時になればもう外殻大地も無くなり、食料を届けていたダアトにケセドニアもその食料を作っていたエンゲーブも存在しない。そんな中で孤立していずれは餓死するしかないユリアシティの者達が取れる手段は我々に従うという物しかなく、ティアもそこで頷いていたでしょうね」
「まぁ餓死って死に方としてはサクッと殺されない分、めちゃくちゃキツいとはよく聞くしね~。そしてユリアシティの人達はダアトの大多数の人にも内密って形で回数も少なくして食料を届けなきゃならない状態だったから粗食でも慣れてるだろうけど、まるっきり食料が無くなるって事態になるのは流石に避けたいだろうしそれを狙えば世界がもう終わって謡将達の物になったようなのもあって、ティアを含んだユリアシティの住民達は降伏するしかない・・・そしてティアはその後でゆっくりと説得すればいいって算段だったってことね」
「そうなりますね」
そうしてヴァンはいかにしてユリアシティにティアへと話をするつもりだったのかを状況の変遷も交えて話をしていき、その中身を理解したくのいちの声に間違いないと頷く。
「う~ん。まぁユリアシティへの対応に関してはそれで良かったにしても、ティアに関しては明らかに色々と失敗したっすね。と言うかその刺したっていった件もそうっすけど、そもそもわざわざキムラスカのファブレなんて所まで追い掛けて譜歌で屋敷の人達を眠らせ、挙げ句の果てには謡将に襲い掛かるなんて行動を取る始末・・・後で謡将に対して態度が軟化した様子も相まって、突拍子が無さすぎて旦那様ですら意味が分からなすぎて頭を抱えるなんて事になりましたもん」
「っ・・・その事に関しては耳が痛いですね・・・私としてもティアがあのような行動を取るとは思っていませんでしたから・・・」
しかしそこでティアの事についてを話題にするくのいちに、ヴァンはたまらず苦い顔を浮かべる。もう蒸し返される事はないだろうという話が改めて口にされたことに。
「というかティアのあのぶっ飛んだ考えって誰の教えなの?元々預言の事実を知る人物達の間でも表向きはそういった横暴な態度を取る人はいなかっただろうし、ユリアシティがいくら閉鎖的な環境でもその辺りの教育はしてたんじゃないの?」
「・・・言われれば確かにそうではありますが、強いて言うなら私が刺されたことに関して何もしなかったことから私には何をしても後で謝れば関わった者達も含め許されると考えていた節があるとしか言えません・・・奥方の言われたように流石にユリアシティの者達でもそうは教育はしないでしょうから・・・」
「謡将もハッキリとは分からない、か・・・」
くのいちは改めてどうしてティアがあぁなったのかを聞くが、苦い顔のままハッキリとしないといった答えのヴァンにそういうものかと頭をかくしかなかった。ティアのあのぶっ飛んだ行動は誰が起案なのかはハッキリとはしないと。









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