軍師と女忍、総合する

「どうも~、謡将。元気にしてました~?」
「奥方・・・今日は私の処刑をいつにするか伝えにでも来たのですかな?」
「ありゃま、察しがいい」
「ここに入れられて長いですからね。それに貴女がこちらにわざわざ来る理由を考えれば、何らかか訳ありだとくらいはすぐに想像はつきました」
「成程ねぇ~」
牢の格子越しにくのいちは粗末なベッドに腰掛けていたヴァンに話し掛けると、立ち上がりつつ処刑かと口にしたその中身に軽く納得といったように声を漏らす。
「まぁ実際それで間違いないよ~。それでいつかって言うといきなりで悪いけど、明日ね」
「明日、ですか・・・確かに急ではありますが、それをわざわざ伝えに来たのはまた何か訳ありのようですが」
「まぁ確かにその通りだけどちょっと話があるんで、先にそれを聞いてからってことで判断してくださいな」
くのいちはそんなヴァンに明日と告げた上で疑問の視線に話をすると告げる。協力を得る為に自分達がどのような考えを持っているかに、今の状況についてを・・・









「・・・成程。大方状況は分かりましたが、まさかローレライまでもが顕現といった結果になっていたとは・・・」
「そ。それで謡将には大詠師の命令でやってきたことについてを証言してほしいって訳ですよ。まぁ言うことを聞いてくれた所で減刑だとか、実は裏で生かしてましたとかって風にする気はないんすけどね」
「手厳しいですな。そのような時は何らかの交渉材料があるべきかと思いますが」
「まぁその辺りは申し訳無いけど、それで預言保守派っていうかモースの思うような預言世界からの脱却の為の礎になるってことで勘弁を・・・っていうのは三割本音で、残りの大体は流石に今までが今までですしそんな謡将を見張りつきにしても活動を認めて放置なんて出来るわけないですもん」
「フッ・・・確かに私が丞相の立場であれば、私を信じれるかと言われれば信じることは出来ないでしょう。ただほとんどということはまだ残りがあるということですか?」
「それはティアの事っすね。言っちゃなんすけど謡将が普通に活動してたら自分も神託の盾に戻るだとか言い出しかねない上に、言っちゃいけないことも普通に言い出しかねないんで」
「・・・そういうことですか・・・」
・・・そうして一連のながれについて話終わった後に流れはヴァンを生かさない理由についてになるが、ティアという妹の話題が出たことに余裕といった表情に陰りが浮かぶ。
「ん~。心苦しいことを言うようで申し訳無いんすけど、あの娘はもうそうそう長くは生きれないっすよ。そんなことを騙し騙しとは言え望んだあっしらが言うことじゃないとは思いやすが」
「・・・分かっています、それは。ただもう私が死ぬとなった以上はせめて、ティアにだけは幸せに長生きしてほしかったのですが・・・」
「・・・そもそもを聞きやすけど、あの娘の性格に考え方から元々謡将の目的に賛同しないのは謡将自身分かってたと思うんすけど・・・もし仮に謡将の目指してたレプリカ大地計画が全部無事に終わった後でユリアシティが健在の上でティアが生きてたなら、謡将はティアを説得してたんすか?それとも反対って言うか反抗していたんなら殺してたんすか?今考えてみると謡将ってユリアシティにティアがずっといることを計算に入れて、全部が終わった後々に向き合うつもりだったんじゃないかって思ったんすけど」
「そこですか・・・」
くのいちはそこから言葉通り少し済まなそうな表情を浮かべて謝るのだが、会話の中で気になったティアとのことについて話題を変えるとヴァンはまた複雑さを表情に滲ませた。









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