軍師と女忍、総合する

・・・そうして鍵を持ったくのいちが譜陣の中心に来るのだが、その数秒後には地に描かれていた譜陣はもう光を放つことなく静かに消えていった。
「ありゃ?これだけ?」
『あぁ。拍子抜けに思えるかもしれぬが、これでプラネットストームは止まる。後は然程時間をかけることなくオールドラントを巡っていた音素の流れも途絶えることになるだろう』
「ふ~ん・・・んじゃ行きますか。もうここでやることも終わったことですし」
『あぁ』
くのいちはそのあっさりさに少し意外そうに表情を揺らしたが、ローレライからの答えにまたあっさりならいいと返して孔明達の元に戻る。









・・・そうしてラジエイトゲートの譜陣に関しての処置を施した孔明達はグランコクマへと向かった。



「・・・ご苦労だった、丞相。これで障気の復活に預言によるオールドラントの滅びといった事態は避けられる事となるだろう」
「はい。ですが両国の関係に人々の預言への想いに関してはまだまだ安定するには時間がかかると思われます。むしろ預言通りの戦争が望まれないということがあるから、相手国側に何らかの被害を与えること及び挑発行為といった事を考えるような者が出てくるのは有り得ない事ではないと思われます」
「戦争が望まれない事で迂闊に拳を振り上げる訳にはいかないから、それを盾に調子に乗る奴が出てくる事も有り得ると言うことか・・・分かった、そういった行動を起こした奴には厳正に対処するようにしよう。元々の関係があるとは言え、キムラスカとの関係を元より悪くして冷戦のような状態にしても何の得もないからな」
・・・それで辿り着いたグランコクマで一通りの報告を済ませた上で今後に出てきかねない者についてを孔明が口にし、ピオニーはすぐに対処をすると返す。大義名分というか都合のいい言い訳を手にして、面倒を起こしかねない者達が出たなら対処をすると。
「まぁ後はダアトでローレライを見送るだけという段なんだろうが、まだジェイドにアスランの手が必要なら連れていってもらってもいいぞ」
「いえ、後はダアトの者達のみで事足りる上にアルビオールもダアトに着きましたらシェリダンに返却する段取りになっています。ギンジ殿なら頼めば了承してくださるとは思いますが今まで手伝ってくださった分もあって早目に帰してさしあげたいですし、そうして帰っていただいたならダアトからこのグランコクマまではどう早く見積もっても10日以上はかかります。そんな時間がかかることに足労をいただくのは心苦しいですし、お二人もこれまでの旅路での疲れがあるはずですのでこの辺りでお二人を休ませてください」
「そうか・・・まぁ色々と苦労してもらったことだし、一連の流れについての報告を一通りしてもらったらまとまった休みを二人にやるか」
それで二人はまだいるかを聞かれて孔明は迷いなく大丈夫だからむしろ休みを二人にと言うと、ピオニーはウンウンと頷く。
「・・・では我々はそろそろ出立したいと思います。早めに事を進めた方がローレライ関連で緊急で事を為しているというように見られますからね」
「最後に今日くらいはと思ったが、そういうことなら仕方無いか。まぁ何かあったらこちらに遠慮なく言ってきてくれ。出来る限りは力になろう」
「ありがとうございます。では失礼します」
そうして孔明がもう出発をすると告げ、ピオニーからの自信の伺える笑顔と言葉を受けて頭を下げてから二人は謁見の間を後にしていった。









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