軍師と女忍、総合する

・・・グランコクマを出てバチカルに向かう孔明達。その道中のアルビオールの中で特に何か起きることなく、孔明達はバチカルへと辿り着いた。



「・・・ふむ、そういうことか・・・」
「それでキムラスカにも協力していただけますでしょうか?」
「うむ、問題ない。こちらもマルクトと同じような形で協力しよう」
「ありがとうございます」
・・・それで謁見の間にて一通りの話をし終わった後、インゴベルトからも同様の協力を取り付けられた事に孔明達は一斉に頭を下げる。
「・・・ではこの後はどうする?こちらも泊まるというなら歓迎はするが、そちらとしてはダアトに早目に戻りたいというのもあるのではないか?」
「陛下のおっしゃる通りダアトに一先ず戻り、様々に準備をしたいと思っています。特に謡将達の公開裁判の件に関しての準備を進めたいと思っていますので、そこで導師にリグレット達六神将はダアトに残したいと思います」
「ふむ・・・妥当ではあるが、道中は大丈夫なのか?その話の限りではラジエイトゲートでの丞相の護衛は奥方一人になるかと思うが」
「問題ありません」
「そうか・・・ならわしがこれ以上言うことではないな」
それでこの後について聞いていくインゴベルトに孔明はダアトに戻ってからの流れを説明し、その答えに納得をする。
「ですのでこれで失礼を、と言いたいのですが・・・ルーク様、ローレライが少しやりたいことがあるとおっしゃっていますのでよろしいでしょうか?」
「・・・何だ?」
「ローレライが言うには貴方の体からレプリカを作るために抜かれた身体情報を自分の力で補填したいとの事です。大爆発が起きるような予兆は無くなったにしても、もしもの想定していない何かが起きる可能性は無いとは言い切れないことをローレライが危惧しています」
「っ、だからローレライから治療だかなんだか知らねぇがされろってのか・・・」
ただそうして出るという前にアッシュに視線を向けてローレライからの申し出についてを孔明が口にすると、悪態をついたような口調ながらもどこかホッとしたような響きを滲ませていた。
「そうですが、受けられる場合は妻から鍵を受け取ってください。ほんの数秒程度あれば終わるとの事ですので」
「・・・フン」
‘カァァッ’
孔明はそこで隣の鍵を取り出したくのいちに視線を向けさもどうするかというように言うが、鼻を鳴らしはするが否定の言葉を返さずアッシュは鍵を手に取る・・・するとアッシュの体を光が包んだかと思うと、孔明の言ったように数秒後には光は収まり消えた。
『どうだ?何かおかしなことはないか?』
「っ・・・い、いや・・・特には問題はない・・・」
ローレライはアッシュに声をかけるのだが、そこでどこか戸惑ったようになりながらも問題はないと返す。
「?・・・何もないというのであれば、退出せよルーク。もう特に問題はないようならこちらとしては早く元の場所に戻って色々なことに慣れてもらいたいからな」
「は、はい・・・では失礼します・・・」
インゴベルトもその様子に首を傾げつつ戻るように言い渡すと、その戸惑いを隠せぬままにアッシュは頷いた後に謁見の間を後にしていく。なんとも言い難い妙な雰囲気を感じていると言った様子で。









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